南大東島 旅行・観光ガイド ブログ
南大東島 観光 日の丸山展望台・旧空港跡地
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日の丸山展望台
南大東島には、あまり高い山や建物が無いため、島全体を見渡すことができません。そんな中で、日の丸山展望台は、島を広く展望できる数少ないスポットです。
- 島の南地区にある日の丸山展望台。
日の丸山展望台があるのは、島の南地区。
敷地内には、戦時中、日本軍の電波探知機部隊によって造られた陣地跡が、今も遺っています。
- 戦時中に造られた電波探知機部隊の陣地跡がある。
展望台の階段を上ると、美しいさとうきび畑の風景が広がります。
宿のおかみさんの話だと、さとうきびは3月中に刈り取られるため、私が訪問したゴールデンウィークの時期は、苗植えの時期。さとうきび畑は、一通り刈り取りが終わった状態でした。
また、5月は例年雨が多いそうで、亜熱帯の気候ではありますが、雲が出てくると5月でも肌寒くなるのだそうです。
平坦な土地と思いきや、所々窪んでいます。窪んでいる場所はドリーネと呼ばれ、カルスト地形によく見られる窪地です。
そもそも、南大東島は、珊瑚礁が隆起してできた島なので、地盤は石灰質。石灰は水に溶けるため、徐々に浸食され、地下は無数の空洞が空いたスポンジのような状態になっています。
ドリーネは、地下の空洞が崩落し、土地が窪んだ場所になります。開拓前の南大東島は、こうしたドリーネがいくつもあったらしく、それを一つ一つ埋めながら、現在の平坦な土地に整地していったそうです。
(今でも、突然地面が崩落することがあるのだとか。)
南地区を歩く
在所からほど近い南地区を歩いてみます。
南大東島は、どこに行ってもこんな風景が続きます。
畑の中を歩いていると、たまに、ぽつんと民家が建っています。
島の方に聞いた話ですが、こうした民家の多くは、ドリーネを埋めた上に建っているそうです。
というのも、在所から離れると、ライフラインを整備するのにお金が掛かります。特に困るのが下水道だそうで、ドリーネの上であれば、下に地底湖があることが分かっているため、そのまま垂れ流せるのだとか。
それにしても、暑い日でした。さとうきび畑が延々と続くため、あまり日陰になる場所が無く、たまにある木陰で休憩したりしていました。
- ドリーネを埋めた跡と思われる巨大な窪み。
旧空港跡地
かつて南大東空港は、島の中央部にありました。しかし、滑走路の長さが足りなかったため、現在の旧東地区に移転した経緯があります。
昔の空港跡地は、現在、様々な用途に使われています。
旧空港は、さとうきび畑の真ん中にあったため、少し分かりづらい場所にあります。地図を見ながら、ようやく到着しました。
ターミナルビルは、思っていたよりも小規模。一応、屋上に上ることができます。
「南大東空港」の文字は、そのまま残されていて、なんだか不思議な感じです。
現在ターミナルビルは、グレイスラムという会社のラム酒工場として使われています。ラム酒は、さとうきびの製糖過程で発生する糖蜜(通常は廃棄される)が原料となるため、南大東島には相性の良いお酒といえます。
営業時間内であれば、工場内を見学させてもらえます。
訪問時は、建物内に2人しかいませんでしたが、普段から少人数なのだそうです。発注を受ければ、手作業で1瓶ずつラベルを貼り、段ボールに詰めるのだとか。
- 空港施設の跡地はラム酒工場になっている。
空港跡地を利用した施設は、ラム酒工場だけではありません。
滑走路の土地を利用して建てられた「スパーク南大東」と呼ばれる大きな建物。こちらは、屋根付きのゲートボール場だそうです。
ゲートボールだけでは、ちょっと勿体ない規模。他にどういった用途に活用されているのか気になります。
- ゲートボールだけでは勿体ない立派な施設。
隣接する「島まるごと館」は、観光案内所も兼ねた、島の博物館。ですが、展示内容は今ひとつ。
観光案内所ということであれば、在所に造らないと…、なかなか集落から離れた空港跡地まで足を運ぶ人は少ないんじゃないでしょうか。
- 観光案内所の「島まるごと館」。
他にも、滑走路の土地を使って、村営住宅が建設されていました。さとうきび畑の真ん中で、都会的なアパートが並んでいるのは、ちょっと違和感がありますね。
この地に空港があったのは、16年前のことだそうです。既に滑走路跡は荒れ果てていて、知らなければ気付かないレベルだと思いました。
空港の面影を残すターミナルビルは、今後とも活用して欲しいです。
- 探索日
- 2013/04/28 - 05/01
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