御蔵島 旅行・観光ガイド ブログ
御蔵島 イルカと泳ぐ ドルフィンスイムツアー
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ドルフィンスイムに出発
御蔵島ではドルフィンスイムのツアーが盛んです。毎年夏場になると、イルカ目的で客が押し寄せるそうです。鉄砲場には、イルカのために毎月来島している熱心な常連さんもいるほどです。
私は今回、イルカが目的ではありませんでしたが、御蔵まで来てイルカを見ずに帰るのも勿体ないので、半日ツアーに一度だけ参加しました。(たった一回の参加でしたが、見事にイルカと戯れることに成功しました!)
- 鉄砲場所有の船でツアーに出かける。
御蔵島で見ることのできるイルカは、ミナミハンドウイルカです。前述の通り、島ではイルカの個体識別を進めていて、現在110頭ほどのイルカが御蔵近海で確認されています。また、年間10頭ほどのペースで赤ちゃんが生まれているようです。
- ウェットスーツを着て船に乗り込む。
御蔵島のドルフィンスイムは、4月の中旬頃から解禁となり、11月頃まで続けられます。私が訪れたゴールデンウィーク中は、海に入るには少し肌寒い季節ではありますが、ドルフィンスイムの解禁直後ということもあって、久々に人間の姿を見るイルカが、好奇心で近付いて来やすいのだとか(鉄砲場の主人談)。
- 港湾設備の制約で、大型クルーザーは繋留できないらしい。
イルカウォッチングというと、小笠原諸島でよく見られる大型高速艇のような船をイメージしてしまいますが、御蔵島港は、外洋に突き出た小さな船溜まりしかないため、小舟しか係留しておけません。このため、小笠原諸島でよくある大型クルーザーのようなウォッチング船は、御蔵島にはありません。
今回は、宿泊先である鉄砲場所有の「第三鴻益丸」でドルフィンスイムに出かけます。
島の人たちにとって、イルカは当たり前にいるもので、特別な存在ではないそうです。むしろ、漁業の邪魔になる厄介者でした。「イルカを観光資源に」と提案したのも、島外の人だったといいます。当時は、「こんなのが観光資源になるのか」と半信半疑だったとか。
イルカと同じくらいよく遭遇するのがサメだそうで、実際、イルカの体の表面に残る傷痕の多くは、サメに襲われた時のものだそうです。サメの方から人間を襲いに来るケースは稀で、かつてイルカツアーで襲われた人はいないそうなので、さほど心配は要りません。イルカツアーでは、サメの姿を発見次第、船に上がるよう指示されます。
また、御蔵島では、ごく稀にシャチの姿も確認されているそうです。シャチは黒潮に乗って、御蔵島と三宅島の間を通過していくことが多いらしく、イルカツアー中に出会うことは、あまり無いかもしれません。
御蔵島の断崖絶壁
イルカウォッチング船で島を周回すると、まずは御蔵島の凄まじい断崖に驚きます。特にすごいのは、島の南部に位置する黒崎高尾の海食崖(480メートル)です。ついつい海よりも崖の方に目が行ってしまいます。御蔵島の観光協会で、絶壁ツアーを企画してもらいたいほどです。
また、崖から流れ落ちる滝は、御蔵島の隠れた名所です。海岸線の所々で、白糸を紡ぐように流れる滝が見られます。離島でありながら水資源豊富な御蔵の象徴的な風景です。なお、雨量によって、滝が見られる場所や数は変わるそうです。
- 絶壁を伝う水が滝を作り出していた。
イルカと泳ぐ
ふと「イルカ!」と誰かが叫び、船長が舵を切ります。海面をよく見ると、イルカはあちこちで群れを成して泳いでいます。ただ、せっかくイルカの姿を見つけても、「遊んでくれる様子ではない」と判断して、見送ることが多いです。人懐っこい御蔵のイルカですが、群れから離れていたり、子連れで先を急いでいたりすると、人間を相手にせずに通過してしまうケースが多いのだそう。
御蔵島では、事業者間で“一度のツアーで、エントリー回数は8回まで”という自主規制があるため、海へ飛び込むタイミングを慎重に見計らっているのです。
- 船長の合図を受けて、海へ飛び込む。
そして、いよいよ、見込みのある群れに遭遇。急いで支度するよう指示があり、船の両サイドから、一人ずつ海へ入ります。海に入ったら、とりあえず下を見るようにいわれて、無我夢中で海中のイルカを探します。
すると、ついにイルカの姿を確認。鉄砲場のスタッフのアプローチを受け入れ、こちらに近付いてきます。海中にいると、キーキーというイルカの鳴き声が聞こえます。
それにしても、人に対して警戒心が無いのか、やたらと傍まで近寄ってきてくれます。小笠原で同じようなツアーに参加した時には、ここまで自分から近付いてくるイルカはいなかったです。
泳ぎの上手いスタッフさんが、一頭のイルカに接近してみると、まるでじゃれて遊ぶように、イルカの方から人間に近付いてきてくれます。目ははっきりとこちらを見ていて、スタッフさんの泳ぎに合わせて、じゃれているように見えます。しばらく、このイルカと、近付いたり離れたりを繰り返していました。
3分ほどイルカと戯れた後、イルカの群れは去っていきました。最後、去り際に、こちらをチラッと見たイルカの表情がなんとも愛らしかったです。まるでお別れの挨拶をしているようでした。
私が参加したツアーでは、3回エントリーするチャンスがありました。3回目のエントリーの時は、船酔いでダウンしてしまい、泣く泣く見送りましたが、その時もかなりイルカに接近できたそうです。
船酔いは、中盤まで大丈夫だったのですが、2回目が終わって船に上がってから、だいぶ息が上がってしまっていて、一気に酔いが回ってしまった感じがあります。日頃の運動不足が祟ったのかもしれません。
まあ、あれだけ近くでイルカと泳げたので、個人的には満足でした。私は、今回一度(半日)だけの参加でしたが、確かに、これはクセになりますね。
- 探索日
- 2014/04/27 - 30
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