御蔵島 旅行・観光ガイド ブログ
御蔵島 宿泊 鉄砲場
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鉄砲場について
私が今回お世話になったのは、民宿「鉄砲場」さんです。
鉄砲場は、集落の中心から西へ400メートルほど、徒歩6~7分の距離にあり、ちょっと不便?と思うかもしれません。ただ、鉄砲場近辺は、集落内でも随一の絶景ポイントなので、観光で御蔵島に来た人なら、誰もが一度は立ち寄るポイントだと思います。美しい夕日を眺めながらの夕食は格別でした。
- 里の中心から少し離れた都道沿いに建つ鉄砲場。
鉄砲場の中の様子
玄関から入ると、まるで普通の民家のよう。すごくアットホームな雰囲気です。
客室は全て二階にあります。10畳が1室、6畳が3室の計4室しかありません。部屋数が少ないため、いつも予約でいっぱいらしく、毎年3月から、その年の観光シーズン中の電話予約を一斉に受け付け開始するのだそうです。私の場合、GWから一週ずれていたためか、奇跡的に一室空いていました。
- 二階が客室フロアになっている。
客室には、テレビ、エアコン、扇風機が完備されていて、とても快適に過ごせます。
海に囲まれた小島のため、夏場も熱帯夜にはならないそうです。ただ、その分湿度が高いので、昼間のムッとした気候は、真夏になるほど辛そうです。
- 物干しは自由に利用できる。
共同の物干しはいつでも利用可能で、一階にある洗濯機(有料)も自由に利用できます。ただ、島独特のムッとした空気のため、思ったよりも洗濯物は乾かないです。
鉄砲場は自前の船を所有しているため、ドルフィンスイムの際は、宿で支度をしてそのまま港へ送迎してもらえます。道具を一式レンタルすることができ、滞在中、ツアー参加の可否を適宜調整させてもらえます。
風呂場は2箇所あり、ドルフィンスイム終了後は、まず屋外でシャワーを浴びて、譲り合いながら風呂に入る感じです。浴室は新しくて清潔感がありました。
- 浴室は二つある。
鉄砲場で購入できるお土産
数や品揃えに限りがあるものの、若干のお土産も取り扱っていました。特に、御蔵特産のツゲ細工は、いろいろ種類がありました。また、「御蔵の源水」もここで購入できます。
- つげ細工などの土産物を購入できる。
- 御蔵島の水もお土産として買って帰れます。
鉄砲場の夕食
食堂は、一つのテーブルに向かい合って座る家庭的な雰囲気。ウォーターサーバがあり、御蔵の美味しい水がいつでも飲み放題です。
夕食は18時からで、宿泊客がみんな集まって食べます。夕食の時に初めて顔を合わせる人もいて、お互い自己紹介したりしていました。
夕食は家庭的なメニューで、肉も魚も盛りだくさん。魚はさすが新鮮なネタばかりです。
- 毎食、ボリュームのある夕食。
ちなみに、食事中でも、必ずNHKの気象情報の時間になると、鉄砲場のスタッフさんがテレビを付けて見入っていました。客船の就航やドルフィンスイムなどに、天気や波の情報が関わってくるからだそうで、この時間にNHKを見ることは習慣化しているみたいです。(これは三宅島でも同じだったので、恐らくあの時間帯のNHKの天気予報は、離島の視聴率が異常に高いのではないでしょうか)
- ピンク色のお刺身はキンメ。
夕食時に、鉄砲場のご主人から、「写真を撮らせて」とお願いされ、さらに、写真の裏にコメントを書くように言われました。ご主人曰く「老後の趣味」だそうで、この宿で出会った人たちの顔を記憶に留めておきたいそうです。コメント入りの写真は、ボードかアルバムに貼って保管しておくそうです。なんだかほっこりしました。
夕食後の小宴会
夕食を食べ終えると、なんとなくそのまま飲み会のような場の雰囲気になります。自販機で買ってきたビールを持ち寄ったり、鉄砲場の主人が温存している銘酒を分けてもらったり。おつまみもいただきました。
- 夕食が終わると、小宴会が始まる。
初日の夜は、鉄砲場のご主人の知り合いの方が遊びに来ました。自分で山に採りに行ったというゼンマイの煮物や、今朝釣ったばかりの小イワシの南蛮漬けをいただきました。どちらもすごく美味しかったです。
その方曰く、御蔵島には、美味しいゼンマイがたくさん生えているのに、島の人は、山菜を食べる習慣が無いのだそうです。
- 御蔵島のゼンマイを使った旨煮。
- 子イワシの南蛮漬け。
ちなみにこの方、御蔵島へ来る客船の条件付き就航を決めている人です。3人ローテーション制になっているそうで、担当の日は、朝3時に起きるのだとか。朝の様子で、今日は大丈夫かどうかが、感覚的に分かるのだそうです。ただ、竹芝を出港する段階で、「条件付き」を取るかどうかは、人によって判断が分かれるといい、曰く「攻める人もいれば、慎重な人もいる」。
逆を言うと、「条件付き就航」にもレベルがあるということで、「誰が見ても着岸できる“条件付き”もあれば、今日は絶対着岸できない“条件付き”もある。そういう日に7時間半掛けて御蔵まで乗船する人は、本当に気の毒だと思う。」とのこと。そういう現地の生の判断は、ぜひ観光客にも伝えて欲しいものです…
- 小笠原のパッションフルーツリキュール。美味しかった。
ところで、鉄砲場のご主人、実は御蔵島の村議会議員でもあり、現在4期目。しかも、村議会議長も勤めている(訪問時)すごい方です。しかし、物腰やわらかい方で、初めてでも話しやすかったです。
今、御蔵島は深刻な看護士不足だそうで、ちょうど宿泊客に看護士の経験がある女性二人組がいて、割とホンキで勧誘していらっしゃいました。離島の医療問題はなかなか難しいです。
- 醸造元が辞めてしまったため、在庫限りとなった「若八丈」。
御蔵島では、(東京都環境局の委託で)観光協会がイルカの個体識別を進めていて、イルカの早見表が鉄砲場の食堂に置いてありました。毎年、学生に手伝ってもらいながら、データ化しているそうです。
- 御蔵島のイルカは身体的な特徴で個体識別されている。
イルカの識別には、背びれや尾びれの形状や、体についた傷などが使われます。子どもになるほど特徴が無く、識別が難しいそうです。
例えば、御蔵で有名な「せんぬき」というイルカは、背びれの形が栓抜きのように欠けていることから名付けられています。
鉄砲場の朝食
朝食は朝7時~になります。場所は、夕食と同じく食堂です。
ドルフィンスイムに行く場合は、今日の天候や海況を確認して、実施の可否や出発時間を話し合います。ツアーは半日単位で行うため、「午前と言っていたけど、天候的に午後の方がいい」など、その日の状況に合わせて相談できます。
- 探索日
- 2014/04/27 - 30
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