青ヶ島 旅行・観光ガイド ブログ
青ヶ島 神子の浦・ジョウマン
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神子の浦
青ヶ島に上陸してしまうと、常に海を見下ろすような形となり、ヘリコプターから見たような断崖絶壁を目にすることはありません。海岸に降りることができないので、海のそばに居ながら、海を遠目で見る不思議な感じです。
青ヶ島で、崖下に降りることができるポイントが数ヶ所あり、神子の浦はその一つです。
- ヘリポートから見た神子の浦。
神子の浦展望台は、八丈島方面を見渡せる眺めの良い場所で、集落から歩いてすぐの岬の先端にあります。標高は300メートルほどあるらしく、崖下の様子はほとんど確認できません。
神子の浦へは、展望台のすぐそばにある下り口から、片道30~40分の道程を下っていきます。
- 八丈島方面を望む。
絶壁に囲まれた青ヶ島ですが、神子の浦には僅かに浜があり、三宝港ができる以前は、ここが島の玄関口でした。とはいっても、港湾設備があったわけではなく、小型の船を近付けて、島民総出で引っ張り上げていたそうです。ただ、荷物を陸揚げできたとしても、この絶壁の上までどうやって運んだのかは不明。相当の苦労があったと思われます。
神子の浦へ下る道は、基本的に山道。事前に「崩落していて下までは降りられない」と忠告を受けていたので、ここから先は自己責任です。確かに、所々崩れて土が被っている場所がありましたが、定期的に人が通っているのか、割と歩きやすく整備されています。
ほぼ垂直の崖に沿って、つづら折りの山道が続きます。このペースで、本当に下まで辿り着くんだろうか、と思っていたら、アルミ製の仮設階段が登場。なるほど、これで距離が縮まりますね。
写真からご想像頂きたいのですが、この階段、下が見えないのでかなり怖いです。遙か直下に見える海岸を眺めながら、一段一段下っていきます。踏み外したらどこまで落ちていくんでしょう。
階段を下っても、まだまだ先は続きます。この後、もう一箇所階段を下り、いよいよ海が間近に迫ってきました。
- 小屋から簡易モノレールの軌道が延びている。
小屋のようなものがありましたが、どうやら簡易モノレールの収納倉庫のようです。小屋から錆び付いたレールのようなものが延びていました。ただ、その先を目で追っていくと、とても残念な光景が。
- 途中で道が崩落していた。
- 崩壊した土砂に道が埋もれて通行できない。
- 崩落現場に作られた簡易の祭壇。
大規模な崖崩れです。回避ルートが無く、崩れた土砂を伝って降りられたとしても、登って来れなくなる危険性があります。
この時点で、下り始めてから既に30分が経過しており、大分息も上がっていました。登りの時間や体力も考えて、ここで引き返すことにしました。
とりあえず、崩落地点からでも海岸は望めました。
ごろごろと岩が転がっている荒々しい浜が広がっていました。よく見ると、結構大きな落石が幾重にも重なっています。風雨によって、絶壁が少しずつ削り取られている現実が分かりますね。青ヶ島の厳しい自然を垣間見た気がします。
ふと、もしここで崖下に滑落したら…と思って、携帯電話の電波状況を確認しましたが、ドコモは普通に通じるようでした。助けは呼べます(笑)。300メートルくらいの崖下でも、電波は遮蔽されないんですね。
ジョウマン
「ジョウマン」というのは、島の最北部の地名。集落から坂を下っていくと辿り着きます。標高200メートルほどありますが、土地は平坦で、見渡す限りの草原地帯となっています。
平地が少ない青ヶ島で、この広大な台地は貴重な存在。かつてはヘリポートの移設候補地にも挙がっていたそうです。
現在は、この草原を生かして共同牧場として整備されています。ただ、訪問時には、背丈の高い草が一面を覆っているのみで、特に家畜を放牧している様子はありませんでした。
島の皆さんが口を揃えて言うのは、ジョウマン地区が絶好の星空スポットであること。確かに、ジョウマンには街灯が無く、近くにあるのはゴミ焼却場くらい。夜になれば真っ暗です。また、集落より100メートルくらい標高が低く、海に突き出しているため、雲に覆われにくい利点もあります。
というわけで、夜改めて行ってみることに。この日青ヶ島入りしたという一人旅の青年も誘って、夜、中里の順子さんに車で送っていただきました。
- 月明かりに照らされて星空鑑賞。
あいにく薄く雲が掛かっていましたが、それでも星空は一面に広がっていました。周囲は静寂に包まれていて、草が風にそよぐ音と、虫の鳴き声だけが響き渡っていました。
そして、何より驚いたのは、月の光が本当に明るいこと。都会で暮らしていると意識することはありませんが、月明かりだけでも十分外を歩けるんですね。
- 探索日
- 2011/08/07 - 10
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