礼文島 旅行・観光ガイド ブログ

スコトン岬への行き方・江戸屋山道・トド島展望台

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礼文島 地図 地名・観光マップ

スコトン岬へ向かう

スコトン岬は、礼文島の最北端に位置する岬です。船泊湾の西の先端、金田ノ岬の対岸にあります。

私は、香深から原付で行きましたが、香深港から路線バスも出ていて、スコトンだけが目的であれば、交通の便はそれほど悪くはありません。

浜中 礼文島 船泊村
船泊の西に位置する浜中地区。

船泊からスコトン岬方面へ進むと、最初に通過する集落が浜中です。浜中地区からは、鉄府や西上泊へ道路が分岐しています。「岬めぐりコース」「8時間コース」の起点となっているため、浜中バス停は、観光客の利用がそれなりにあります。

礼文島 浜中地区
道道507号線に沿って、船泊から西へ向かう。
礼文島 浜中漁港 本港
船泊港の西に位置する浜中漁港。

礼文島 浜中 番屋

浜中は船泊湾に沿って家々が並ぶ細長い集落で、地区内に漁港が2つあります。浜中のスコトン側の地区を「江戸屋」と呼ぶようです。

浜中 江戸屋 礼文島
浜中地区をさらに奥へ進んでいく。
礼文島 浜中地区
浜中地区は、船泊湾に沿って家々が並ぶ漁村。

江戸屋山道

スコトンへ向かう途中、ぜひ寄っておきたいのが、「江戸屋山道」。浜中漁港(本港)を過ぎて、浜中(江戸屋)漁港の手前の分岐を入っていきます。江戸屋山道を通って、スコトン岬に向かうのが、礼文島でお決まりの観光コースなんです。

江戸屋山道 入口の分岐点 礼文島
この分岐から江戸屋山道に入っていく。
江戸屋山道 礼文島
緩やかな坂道をずっと登っていく。

路線バスなら、「江戸屋」バス停で下車します。「山道」といいつつ舗装路なので、自動車でも走ることができます。細い道ですが、観光バスも入ってくるので、離合には注意が必要です。しばらくは、緩やかな坂道をずっと登っていくため、自転車だとツライかもしれません。

江戸屋山道の風景 礼文島
一面に広がる草原。

一面に広がる緑の絨毯が気持ちいいです。江戸屋山道が人気の理由は、特別な装備無しにいろいろな花が見られるから。道端に咲く花を眺めながら散歩するのも気持ちが良さそうです。

江戸屋山道 鮑古丹への分岐 礼文島
鮑古丹(あわびこたん)方面へ下っていく道。

途中、西側の海岸へ下っていく道が分岐しますが、この先には、「鮑古丹(あわびこたん)」という地区があります。この集落も、かつてニシン漁で住み着いた集落だと思われます。

鮑古丹は、ゴロタ岬を南端とする西側の湾に面する小さな集落です。辛うじて自動車が入れる道が通っているものの、集落の中を走る道は未舗装路のようです。

礼文島 鮑古丹
半島の西側にある鮑古丹集落。

鮑古丹には、最低限の船揚場があるだけで、ほかの集落で見られるような立派な漁港は整備されていないようです。

2013年放送のNHKの番組によると、鮑古丹の住民は、1世帯の老夫婦2名のみとのこと。かつては漁で栄えたこの集落も、現在はこのお二人が生活に必要な最低限の魚を獲っているだけのようです。

※2021年1月の放送では、奥様はお亡くなりになり、90歳を超えたご主人の一人暮らしということが伝えられました。

礼文島 江戸屋山道の登り坂
江戸屋山道は、この先高度を上げていく。

鮑古丹の分岐を過ぎると、江戸屋山道はさらに高度を上げていきます。この坂道を登った先にあるのが、観光マップにも載っている「トド島展望台」です。

江戸屋山道 礼文島の観光
この坂を登った先にトド島展望台がある。
礼文島 トド島展望台 観光スポット
トド島展望台に到着。

「トド島展望台」からは、船泊湾の周囲を一望できます。

名前にもなっている「トド島」は、スコトン岬の先にある「海驢島」のことですが、ここからトド島を眺めるのは若干無理があるかもしれません(スコトン岬から見たほうがよく見える)。しかし、船泊湾は大変良く見えます。展望台から、ここに至るまで自分が走ってきた道を改めて眺めてみるものいいかもしれません。

トド島展望台からの眺望 礼文島の観光
船泊湾沿いの集落がよく眺められる。
江戸屋山道と道道507号線 礼文島
海岸沿いの道路との標高差がすごい。

この先、江戸屋山道は、稜線に沿いながら西側に大きくカーブし、くねくねとした線形で岬の先端を目指します。海岸線の道路と比べると、かなりの高さにいることが分かります。

江戸屋山道 礼文島の絶景
江戸屋山道は稜線に沿って西側に迂回する。
礼文島 鮑古丹の集落
鮑古丹の集落を上から眺める。

鮑古丹の集落を眺められるポイントがあり、点在する家々の様子を窺うことができました。前述の通り、一組の夫婦が居住するのみとなっていて、ほとんどの家が空き家となっているそうです。

須古頓(スコトン)

江戸屋山道を抜けると、いよいよ最北端の集落、「須古頓(スコトン)」に到着です。

スコトン岬 礼文島
礼文島の最北端に位置する須古頓(スコトン)岬。

スコトンは、礼文島としては珍しく、丘の上にある集落です。スコトンの東側の崖下には「白浜(しらはま)」という集落があり、先ほど江戸屋山道から見えた崖に張り付くように建つ「鮑古丹(あわびこたん)」集落も近いです。集落の西側から海岸に下りることができるため、かつては岩場で海苔やウニを採ったり、小舟で漁に出たりして生計を立てていたと思われます。一方で、スコトンには現代的な漁港が無く、住民が今でも前時代的な方法で漁を行っているのかは疑問です。スコトンに建ち並ぶ家々が、他の集落と比べて新しい様子を見ると、スコトン岬が観光地化してから集落が復興してきたのではないかと推測されます。

スコトン岬 トド島
スコトン岬と海驢島(トド島)。
礼文島 スコトンの町並み
スコトンには、比較的新しめの建物が並ぶ。

水色の割と大きな建物があったので、近づいてみると、「礼文町立須古頓小学校」と書いてありました。開校していれば、最北の小学校とも言えそうですが、1999年に神崎小学校へ統合され、廃校となっています。(※2016年に神崎小学校は船泊小学校へ統合されました)

廃校となった校舎は、あまり活用されている様子がありませんが、災害時の避難所として活用されるようです。

礼文町立須古頓小学校の校舎
礼文町立須古頓小学校は、すでに廃校となっている。

それにしても、礼文島、小学校多くないですか…、と思って調べてみると、最盛期には9校があったとのこと。もともと自治体が2つあったこともあり、合理的に統廃合できていなかった可能性もありますが、1956年に香深村と船泊村が合併時には、1万人弱の人口があったそうです。それだけの人口規模であれば、9校あったのも頷けます。

礼文島の廃校 スコトン小学校
須古頓小学校は災害時の避難場所として活用されている。

礼文島は、その後右肩下がりで人が減り続け、2015年には3,000人を割り込みました。ただ、個人的には、最北端の島の人口としては妥当、あるいはかなり頑張っている方ではないかと思います。人口が1万人の頃は、今よりも活気にあふれる島だったのでしょう。

スコトン岬

スコトン岬 駐車場 礼文島
スコトン岬の駐車場から。

須古頓の集落を抜けてまもなく、スコトン岬の駐車場と売店が見えてきます。これまで見てきた集落と比べると、急に現代的な観光地にやって来た感覚になります。2013年にリニューアルしたという土産店「島の人」は、オシャレで明るい店内に品揃え豊富な北海道土産を揃え、若干場違い感を覚えるほど。

礼文島の観光スポット スコトン岬の売店
2013年にリニューアルした土産店「島の人」。

「島の人」の運営母体は、札幌のレブニーズという会社。スコトン岬が本店となりますが、新千歳空港や二子玉川にも出店しているほか、ネット販売も充実しているため、無理にここでお土産品を購入しなくてもいいかもしれません。

売店だけでなく、飲食店も併設されているため、スコトンでランチに困ったら、ここ一択でしょう。スコトン周辺には、飲食店がここしかありません。

礼文島の観光スポット スコトン岬
岬の先端へ向かう。

売店の先に進むと、いよいよ見えてくるのがトド島です。

トド島(海驢島)には、その名の通り、トドが生息していて、その姿はスコトン岬からも確認できるほどです。現在無人島になっていますが、かつては昆布やウニの漁師が居住していたそうです。また、今も海驢島灯台が建っています。島内には神社もあるそうです。

礼文島の観光地 スコトン岬の展望台

スコトン岬とトド島 展望台
スコトン岬の先端には展望台が整備されている。

岬の先端に向かう道の真下に、「民宿」という看板があったので覗いてみると、ちょうど崖下の窪みに嵌まるように建物が建っていました。ここは、「民宿 スコトン岬」という民宿らしく、6月~9月初旬の約3ヶ月間だけオープンするそうです。恐らく、礼文島で最北端に位置する建物だと思います。

民宿 スコトン岬 礼文島
崖下にある「民宿 スコトン岬」。

礼文島 スコトン岬 漁場の跡

岬の展望台の下には、木造の小舟や小屋の残骸が放置されていて、かつてこの場所が漁場であったことを伝えています。今も漁は行っているのでしょうか。

礼文島の廃墟 スコトン岬
かつてスコトン岬が漁場だったことを伝える残骸。
礼文島 トド島(海驢島)
展望台からはトド島がよく見える。

展望台の先端に立つと、トド島がさらに近くに見えます。ただ、目線の先にちょうど岩山があり、写真を撮ると、やや目障りではあります。

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探索日
2015/09/20 - 22
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