礼文島 旅行・観光ガイド ブログ
金田ノ岬の食事「海鮮処 あとい」・礼文空港・船泊
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船泊(ふなどまり)
船泊(ふなどまり)集落は、船泊湾に面する礼文島第二の集落。縄文時代の竪穴住居跡や墓坑などが見つかっていて、古くから人が暮らしていたと考えられています。香深港からは、約18km離れています。
かつて、礼文島が香深村と船泊村に分かれていた頃は、船泊村の中心集落でした。当時は、稚内港から客船の入港もあり、船泊は活気に溢れていました。また、1978年からは、船泊地区の北端で礼文空港の営業も始まり、交通の要衝として発展を遂げました。
しかし、1992年に稚内航路が廃止、2003年には礼文空港の定期航路も廃止され、交通の中心は香深へと移っていきました。現在は、香深港からの路線バスだけが、島外とを結ぶ交通機関になっています。
現在、船泊港は、香深港の分港となっていて、生活物資や工事用資材の搬入港として使われています。また、島内で唯一の石油備蓄基地があります。
- 船泊本町バス停は、街の中心からやや外れた海沿いにある。
- 船泊のメインストリート。
今では観光客が訪れることが少なくなりましたが、かつての中心市街地には、現在も多くの住民が暮らしており、小中学校や診療所、スーパーマーケットなどが集まっています。
船泊は香深に比べて平らな土地が広く、集落の区域が広い印象を受けました。
- 船泊には「ファミリーマート」がある。
ある種のネタですが、船泊で見つけたのが、この「ファミリーマート よこの」。みんなが知っている「ファミマ」ではなく、個人商店です。小さな商店が多い礼文島では、比較的大きめなお店のように見えます。
船泊で一番の商店といえば、漁協が運営する「船泊マリンストアー」でしょう。1階が食品スーパー、2階が日用品売り場となっており、品揃えは島内で一番という声もあります。久種湖畔キャンプ場が近いこともあり、観光客の利用もあるようです。
- 漁協が運営する「船泊マリンストアー」。
船泊には、大きな港や物流拠点、役場、公共施設などがあり、働く人もそれなりにいるためか、飲食店が充実しています。香深とは違い、観光客が少ないため、地元民をターゲットにした店がほとんどのように思います。
- 船泊本町バス停近くにある居酒屋「いっこん」。
船泊小学校は、礼文島で2番目に児童数の多い小学校。同じ敷地に船泊中学校もあり、校舎は別ですが、校庭は共有しています。中学校は、香深と船泊の2箇所にしかありません。
- 礼文島で2番目に児童数が多い船泊小学校。
礼文島で最も大きな病院「礼文町国民健康保険船泊診療所」も船泊に立地しています。ここは、島内で唯一外科の診療を行っているほか、入院施設、救急外来があるのもここだけです。
礼文神社
船泊商店街を抜けた先にある神社が、礼文神社です。本殿は高台にあり、長い階段を登る必要があります。
- 船泊にある礼文神社。久種湖の神が祀られている。
もともとは、久種湖の神を祀る神社だったのを、明治時代に現在の場所に移設したもの。現在神主はいないため、香深の厳島神社の神主が管理しているそうです。
金田ノ岬(かねだのみさき)
スコトン岬と並ぶ、船泊湾の東の北端が金田ノ岬です。岬の先端には、飲食店があるため、お昼ご飯を食べに行ってみました。
途中、船泊港(香深港 船泊分港)のそばを通過しましたが、船の入港が無かったためか、とても静かでした。他の漁港に比べると、明らかに港湾の規模が大きく、漁港というよりは、貨物港という印象が強いです。周囲には、資材置き場のような土地が広がっていました。
- 左手に見えるのが船泊港(船泊分港)の施設。
船泊港を過ぎると、小さな集落があり、古い木造家屋が並んでいました。船泊の漁師たちが住む集落でしょうか。船泊の中心部とは、少し雰囲気が異なっています。
この集落を抜けると、金田ノ岬に到着です。
金田ノ岬は、アザラシが見える岬として知られているようです。残念ながら、私が行った時にはアザラシの姿はありませんでした。運が良ければ、というくらいに期待しておくのが良いでしょうね。
- 金田ノ岬から海を眺める。
岬の先端で営業しているのが「海鮮処 あとい」。船泊漁協直営の食堂で、地元で水揚げされた新鮮な海産物を食べられます。
- 金田ノ岬で営業する「海鮮処 あとい」。
観光バスに対応するためか、店内はやけに広く、一人で入店すると若干場違い感がありました。
- 「あとい」の店内は広い。
注文したのは海鮮丼(2,200円)。ネタは、ウニ、イクラ、ボタンエビ、ホタテ、タコと、地元で捕れたものばかり。ご飯は別のお椀に盛られて出てくるので、お好みでネタを乗せていただきます。味噌汁のほか、蒸し雲丹と佃煮も付きます。
礼文島に来てからは、割とどこでもウニが出てくるのですが、礼文島のウニは臭みが無くて甘かったです。
メニューはこの他に、うに丼(3,000円)、舟盛定食(2,700円)、いくら丼(1,800円)、焼魚定食(1,200円)、二色丼(2,600円)、三色丼(3,000円)、鮭・いくら親子丼(2,200円)がありました。ラストオーダーは15:30だそうです。
幌泊(ほろどまり)
幌泊(ほろどまり)は、金田ノ岬から半島の東側に広がる集落です。これといった施設は無く、集落の規模も小さいのですが、例に漏れず、立派な漁港が整備されています。
香深とスコトンを結ぶ路線バスは、海岸線に沿って船泊へ向かうため、幌泊集落内も通過します。幌泊には、バス停が3つありますが、その中でも気になるバス停が、「空港下」という名前のバス停です。そう、この上に礼文空港があるのです。
礼文空港
幌泊から礼文空港へ向かう道は、幌泊漁港のそばにあります。案内板が一切無いため、知っている人でないと、この道が礼文空港に繋がっているとは思わないでしょう。
空港へのアクセス路としては頼りない細い登り坂を進んでいくと、見通しの良い草原が広がります。道は大きくカーブして滑走路を迂回すると、まもなく礼文空港のターミナルビルが見えてきます。
空港施設内に立ち入ることはもちろんできませんが、周囲に、あまり視界を遮るものがないため、滑走路を含め、全体を見渡すことができます。
礼文空港は、1978年に開業しました。北方領土を除けば、日本で最北の空港になります。標高27.3メートルの丘の上に、800メートルの滑走路が一本あるだけの、非常に小規模な空港です。800メートルというと、小型機の離発着しかできないため、保有機材の関係で、現在運航できる航空会社はかなり限られるのではないでしょうか。(お隣利尻島の利尻空港は、1,800メートルあります)
営業していた当時は、19人乗りのデ・ハビランド・カナダ DHC-6が、稚内空港まで1日1往復していたそうです。
現在、礼文空港は、廃止ではなく休止の扱い。存続に関して、2021年3月末までに結論を出すそうですが、廃止の可能性が高そうです。
個人的には、現状関東圏から来島する際に、フェリーの時間の関係で必ず稚内で一泊しなくてはいけないのが解決されるなら、空路を利用する価値はあるのではないかと思います。例えば、稚内空港で、羽田便との乗り継ぎをスムーズにすれば、少なくとも一定の観光客の利用はありそうですが…。
ただ、滑走路が800メートルではどのみち厳しそうですね。土地はまだあるので、あと400メートルくらいは延ばせそうですが、それ以上は無理そうです。
伊豆諸島などで利用されている小型機「ドルニエ228」を町で購入して航空会社に運航を委託するとかしないと、この条件でプロペラ機を飛ばしてくれる航空会社は無さそうな気がします。
空港から船泊側へ向かう途中、謎の道があったので進んでみました。道は、礼文分屯地があるオションナイ山に向かってまっすぐ造られていますが、途中で鉄柵があり、行き止まりとなっていました。
航空写真で見ると、かなり大きな正方形の敷地に、なにか建物が建っていた形跡があります。空港建設時の建設事務所があったのか、アンテナ施設があったのか。気になりますが、調べても分かりませんでした…。(古い礼文空港の航空写真を見た限りだと、この先に何らかの施設があったことは間違い無さそうです。)
ちなみに、礼文空港へは、船泊側からもアクセス可能です。船泊の漁港付近から、高台へ分岐する道(道道926号線)があり、ここをまっすぐ進めば空港まで繋がっています。
- 探索日
- 2015/09/20 - 22
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