父島(小笠原諸島) 旅行・観光ガイド ブログ

小笠原 客船での食事・過ごし方・船外風景

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外洋を航海するおがさわら丸

外洋に繰り出したおがさわら丸は、波しぶきを上げて揺れ始めます。

外洋上では、もちろん携帯電話は使えないのですが、大島と八丈島のそばを通過中の時だけ、一時的に電波が入りました。どちらも、だいぶ島から離れたところを通過しましたが、メールやらスマホの通知やらが一気に入ってきました。

ただ、船室内だと掴めないほど微弱な電波のため、確実に受け取るには甲板に出る必要があります(ちなみに、私の回線はドコモです)。

おがさわら丸の船名板
この日、太平洋上は快晴で気持ちよかった。

夕方になるにつれて、海は荒れ模様に。スタビライザー(横揺れ防止装置)装備のおがさわら丸といえども、タテの揺れは吸収してくれません。波を越える際に、船体はゆっくりと上下に揺れます。

波しぶきを上げる船首
外洋なので、波は激しい。

私は事前に「アネロン ニスキャップ」という強力な酔い止めを飲んでいたのと、割と船内を歩き回っていたため、自然と船の揺れに適応できました。逆に、船室でずっと横になっていたら、起き上がるときに揺れに適応できず、ダウンしていたかもしれません。

波で傾く船
夕方になるにつれて、次第に海が荒れてきた。

船内レストラン

食事の時間は船内での楽しみの一つ。

船内レストランは、朝・昼・夕の各時間帯に営業しています。メニューは1,000円前後で、定食から麺類、ご飯ものまで豊富な品揃え。

おがさわら丸 レストラン
船内レストランは、朝・昼・夕とティータイムに営業する。
おがさわら丸 レストランのメニュー
メニューの価格帯は1,000円前後。

カウンターで希望のメニューを伝え、料理を受け取ったら会計する仕組み。混雑する時間帯でも、手際よく調理してくれます。

おがさわら丸 レストラン 写真
レストランはセルフサービスで、各自がカウンターで受け取る仕組み。

船の揺れで、料理がひっくり返らないか心配になりますが、トレーやテーブルには滑り止めが施されていて、そう簡単にはずれ落ちないようになっています。

レストランは、そこそこ席数があり、快適に過ごせます。

おがさわら丸 レストランの座席
レストランは意外と広く、席数も多い。

まず、昼食に頼んでみたのは、麻婆飯(800円)。船の中だと思えば、妥当なお値段でしょうか。温かくて美味しかったです。

おがさわら丸 麻婆丼
麻婆飯(800円)を頼んでみた。

ちなみに、船内には自由に使える給湯設備がありますので、カップ麺などインスタント食品も食べられます。

船内には、カップ麺の自販機もありました。全品170円と、こちらも船内の割には良心的な価格設定です。

カップ麺の自販機
船内にはカップ麺の自販機もある。(全品170円だった)
おがさわら丸 給湯器
給湯設備も自由に利用できる。

ランチタイムが終わり、人の出入りが落ち着いたレストランで、何やら催し物がありました。小笠原の生態系に関するレクチャーで、アホウドリの話などしていました。

アホウドリの船内講義
レストランで専門家のレクチャーが行われていた。

時刻は20時前。船は青ヶ島付近を通過していました。残念ながら、この時間帯は甲板へ出られないのと、出ても真っ暗なため、青ヶ島の島影を確認することはできませんでした。

おがさわら丸の現在地表示
青ヶ島付近を通過。

さて、楽しみな夕食の時間です。18~19時の間は、レストランが非常に混雑するため、ピークを避けて入店。

レストランの行列
夕食時になると、レストランに行列ができる。

翌日や帰りに食べたメニューも含めて列挙しますと、牛タンシチュー、トマトソースハンバーグ、おが丸風カツカレーで、どれも船内レストランとは思えない美味しさです。

おがさわら丸の牛タンシチュー

牛タンシチュー
牛タンシチュー(1,300円)の肉は、とろけるほど軟らかかった。

断然お薦めなのが、牛タンシチュー(1,300円)。お値段はちょっと高めですが、トロトロに煮込まれた牛タンが絶品です。これが船の中で食べられるとは…。

トマトソースハンバーグ
トマトソースハンバーグも、船内食堂とは思えない美味しさ。

トマトソースハンバーグ(1,000円)も、割と美味しかったです。ご飯とお味噌汁付き。船の中でこの味なら、1,000円は良心的ではないでしょうか。

おがさわら丸 カツカレー
おが丸風カツカレー(1,000円)。

がっつり食べたい時は、おが丸風カツカレー(1,000円)がお薦めです。

何もない海の上では、食事って結構楽しみな時間だったりします。おがさわら丸のレストランは、そういう意味で、気持ちを満たしてくれる場所でした。

太平洋上で迎えた朝

夜が明けて、おがさわら丸2日目。甲板に出てみると、暖かい空気。11月の東京は上着なしでは出かけられない寒さですが、ここまで来ると南国の気温です。

天気は良く、海況も穏やか。小笠原に到着するのが待ち遠しいです。

穏やかな海

風景は相変わらず一面の水平線で、太平洋ひとりぼっち。

おがさわら丸 貨物コンテナ
貨物が満載された船首部分。
おがさわら丸の船尾
何もない太平洋上をひた走る。
おがさわら丸 煙突
おがさわら丸の煙突部分。

二見港へ入港

父島に到着するのは11時半の予定。その後、すぐに現地ツアーに参加するため、昼ごはんが食べられるか微妙なところ。念のため腹ごしらえしておこうと、船内の「スナック」へ。

おがさわら丸 軽食
軽食が食べられる「スナック」。

「スナック」は、たこ焼きやフランクフルトといった、温めるだけで調理可能な軽食を出してくれるお店。意外と飲み物も充実していて、アルコール類もあります(おがさわら丸限定カクテルとかありました)。レストランが営業していない時間帯でも利用できます。

私は焼きおにぎりを食べました。

おがさわら丸 焼きおにぎり
父島到着前に小腹を満たしておく。

そうこうしているうちに、小笠原諸島の島影が見えてきました。父島列島の島々です。

父島列島の島影

父島列島
何もなかった洋上に突然現れる父島列島の島々。

ずっと何もない太平洋の景色ばかりだったので、久々に見る陸地の風景には、感慨深いものがあります。乗客も次々と甲板に出てきました。

ほどなくして、父島の二見湾が見えてきました。東京都心からはるか1,000km、東京都小笠原村の中心集落です。

父島 二見港
いよいよ二見港が見えてきた。

小笠原海運と郵便の旗が掲げられ、いよいよ着岸準備です。

小笠原海運の社旗が揚がる
小笠原海運と郵便の旗が掲げられる。
船首から見た二見港
二見港に入港。

父島 二見港に無事到着。途中海が荒れたため、所要時間は30分遅れの26時間でした。

おがさわら丸 二見港 下船
26時間の船旅を終えて下船する乗客たち。

船を降りると、各民宿が看板を出して、宿泊客を出迎えていました。私が予約していた 民宿グリーンヴィラ の方も迎えに来てくださっていました。

二見港 島民のお迎え

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探索日
2012/11/20 - 25
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