神津島 旅行・観光ガイド ブログ
多幸湾・三浦漁港・多幸湾展望台
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多幸湾について
多幸湾は、神津島の東側にある湾です。三浦漁港と呼ばれる港があり、東海汽船の船舶も、海況によっては三浦漁港に入港することがあります。特に、季節風が強くなる冬場は、三浦漁港に入港することが増えるようです。
神津島には、神津島港(前浜港)と呼ばれる主要港が西側にあり、集落もその近くに広がっています。多幸湾は、集落の真反対にあるため、船の発着時を除き、あまり人の姿を見かけません。静かな漁港といった感じです。
多幸湾展望台
多幸湾展望台は、多幸湾に向かう都道沿いに造られた展望台です。多幸湾全体を眺めることができ、天上山の雄大な景観を楽しめます。
- 多幸湾全体を望める「多幸湾展望台」。
多幸湾には、立派な防潮堤と船溜まりが造られていて、多数の漁船が繋留されています。ヨットやプレジャーボートの入港地としても使われ、港を眺めていると、意外と船の出入りがあります。
天上山と三浦漁港
多幸湾の代名詞となっているのが、天上山の大崩壊地帯です。
元来、神津島の地層は、上層が噴火の堆積物による白砂で覆われており、雨などにより浸食を受けやすい特徴があります。多幸湾から見える天上山も、元は噴火によってできた火砕丘であり、非常に浸食されやすい地質となっています。
天上山の斜面大崩壊も、こうした要因によるもので、長年の風雨に晒されて浸食を受けたものだと考えられています。また、たまに起こる地震によっても、崩壊は進んでいます。
天上山の崩壊地を背景に建つ建物は、三浦漁港の船客待合所です。周辺には海水浴場もあり、夏場は観光客で賑わいます。
- 集落と多幸湾を結ぶ村営バス。
船客待合所から集落までは、村営バスが運行されています。バスの時刻表はシーズンごとに変わるらしく、閑散期には、ダイヤがスカスカになるようなので、注意が必要です。
訪れたのが4月だったため、海水浴客は無く、とても静かでした。
防潮堤の先には、「セブンアイランド大漁」が停泊していました。折り返しのために繋留されているのでしょうか。
港では、ちょうど第十八清光丸が停泊していて、貨物の積み下ろしが行われていました。
- 貨物船「第十八清光丸」が積み下ろし作業中だった。
第十八清光丸は、伊豆七島海運(東海汽船のグループ会社)が所有する貨物船で、総トン数は199トン。主に、離島の廃棄物を本土へ輸送したり、貨客船では扱えない燃料などの危険物の運搬に使われています。
それにしても、天上山のスケールには圧倒されます。崖地の上の方は、垂直に切り立っていて、天上山の険しさを感じさせます。先ほどまであの上まで登っていたことを考えると、なんだか不思議な感じです。
三浦漁港船客待合所に入ってみましょう。内部は、前浜港ほどではありませんが、広々とした待合スペースとなっていて、乗船券売り場の窓口もあります。この日は、入港地が前浜港だったため、人の姿はありませんでした。
天上山の崩壊地へ
多幸湾の砂浜に沿って、天上山の崩壊地の麓まで歩いてみます。
神津島の脆い地質は、必ずしも悪いことだけではなく、水を蓄える効果もあります。
多幸湾には湧き水があり、「多幸湧水」と呼ばれています。東京の名湧水57選に選ばれていて、島民にも親しまれています。駐車場があり、集落から汲みに来る島民もいるそうです。
天上山の真下までやって来ました。消波ブロックが幾重にも積まれています。
崖地は意外と勾配が緩やかで、途中までは何とか登って行けそうな気がします。ただ、小石や砂が常に流れ落ちてきていて、足場は不安定です。大きな岩が落ちてきたら、怪我では済まないかもしれません。
崩壊地の下で砂浜は途切れていて、ごろごろとした岩場となっています。恐らく、天上山の上から落ちてきた岩石だと思われます。足場が悪く、時間も限られていたため、この先の散策は諦めました。
- 探索日
- 2015/04/18 - 19
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