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野崎島の教会(旧野首教会)・世界遺産候補 野崎島観光
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野崎島の旧野首教会
野首集落の中心に位置する旧野首教会は、かつてこの地に住んだキリシタンによって造られた教会です。
集落の中央の小高い丘の上に建っていて、集落のどこにいても、教会の姿を確認できます。
野首教会が完成したのは、明治41年のことでした。当時17世帯いた野首地区の住民が共同出資して造られたそうです。それ以前は、木造の教会が使用されていました。
明治時代に入り、長年の禁教令から解放された野首の信者たちは、信仰の思いを形にするため、煉瓦造りの教会建設を切望し、今の貨幣価値で3億円にも上る建設費用を工面したそうです。
野首教会の設計者は、鉄川与助という建築家で、長崎県のカトリック教会を数多く手がけた人物です。野首教会は、鉄川氏が初めて挑んだ煉瓦造りの教会建築でした。
無人島にある教会とは思えないほど立派で、丁寧に手入れされている様子です。
教会の完成から60年後の昭和40年代、野首と舟森のキリシタン住民が集団離村し、野首教会は放置されることになります。
昭和60年に小値賀町が教会を信者から買い取り、全面改修しました。その後、映画のロケで使われたことで再び脚光を浴びることになります。
野首教会の内部に入る
野首教会は、普段施錠されていて、自由に立ち入れないようになっています。ただ、町営船の午後便が来るまでであれば、野崎島に自然学塾村の関係者がいるため、基本的には鍵が開いている可能性が高いです。
内部は、教会として使われていた当時のまま、大切に保存・修復されています。現在は小値賀町が所有していて、宗教施設ではないため、「旧野首教会」と呼ぶのが正しいのだそうです。
教会の窓一つ一つにステンドグラスがはめ込まれていて、差し込む光が美しいです。
ステンドグラスのモチーフになっているのは、椿の花です。椿は「固い結束」という意味が込められています。五島列島の教会には、多くで椿のモチーフが用いられているそうです。
教会の内部は、いくつもの曲線が組み合わさった柔らかな造形となっています。骨組みには竹が使用されていて、竹を編み込んだ上に漆喰を塗って造られているそうです。
なお、現在のステンドグラスは修復されたものだそうで、建設当時のものは、小値賀島の歴史民俗資料館に展示されています。
なお、この教会は、舟森集落跡などとともに「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」に含まれていて、ユネスコの世界遺産暫定リストに掲載されています。世界遺産に登録されれば、これまで以上に、世間から注目を集めることでしょう。
観光協会の担当者は、「正直なところ、世界遺産になって欲しくない。大勢のお客さんを捌けないし、客層がこれまでと変わってくるのが不安」と話していました。
野首教会の周辺を歩く
野首教会の周辺を歩いてみます。
教会の周りにある石垣は、段々畑の跡だといわれています。また、木片が集中的に落ちている辺りは、住居や小屋があったと考えられています。
教会の裏手にも石垣が積まれていて、畑があったのか、それとも住居だったのかが気になるところです。
教会を背後から眺めると、改めて、良い場所に建っているなあと思いました。集落全体を見渡せるだけでなく、野首海岸も望める位置で、朝日を眺めるにも最適な絶景ポイントです。
- 探索日
- 2015/05/01 - 02
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