野崎島 旅行・観光ガイド ブログ
野崎島の段々畑・鹿の群れ
このレポートの別ページへ
“ありの木ならでは”の高品質な写真素材を販売中!詳しくはこちら
集落を囲むフェンスの謎
野崎集落を歩くと、集落が謎のフェンスに囲われていることに気付きます。一見、観光向けの設備のようにも見えますが、これは、住民がいた当時に造られたものだそうです。目的は、鹿から田畑を守るためでした。
野崎島には、野生の鹿が400~500頭ほどいるといわれています。野崎島の鹿は、野生のため警戒心が強く、人の気配を感じると、すぐに逃げ出してしまいます。
どこにいても鹿が人間の行動を監視していて、よく鹿と目が合います。かなり遠くの方からでも、視線がこっちに向いていて、ちょっとびっくりします。
島が無人化した後は、フェンスの扉が解放されたため、鹿が行き来できる状態になっていて、あまり意味を成していません。景観を損ねていて、観光の意味でもマイナスです。
現在は、鹿たちがフェンスの下に抜け道を造ってしまっていて、ただの飾りと化しています。
野崎島の中央部に、あまり草が生えていないのは、鹿が食べ尽くしてしまったからだといわれています。地割れのように地面が崩れている部分は、過剰に草を食べられて、降雨時に土壌が流されてしまったのだと思われます。
この地区では、「イワタイゲキ」と呼ばれる植物をよく見かけます。イワタイゲキは、高さ30~50cmほどまで成長する多年草で、黄緑っぽい花を咲かせるのが特徴です。この草には毒があり、鹿は本能的に避けているため、食べられずに残っているわけです。
島内を歩いていると、よく鹿の角が落ちているのを見かけます。きれいな形で残っていることは稀で、ほとんどの角が欠けた状態で落ちているのですが、これは、鹿自身が角をカルシウム源として食べているためだといわれています。
野崎集落の段々畑
野崎集落の背後の斜面には、石積みの見事な段々畑が形成されていて、繁栄の時代を感じられる貴重な遺跡となっています。これらの畑は、最盛期の昭和30年頃に造られたものだそうです。また、野崎集落には、島で唯一の水田も造られていました。
段々畑の跡は、鹿の住み処となっていて、至る所で鹿の群れを見ることができます。
段々畑も観光コースとなっていて、中に立ち入ることができます。既に畑は雑草で覆われて荒れ放題となっていますが、当時造られた用水路の跡などは、まだその形をとどめています。
畑の中央に立つと、すり鉢状の地形がきれいに階段状に切り拓かれていて、圧巻です。
- 探索日
- 2015/05/01 - 02
- このレポートの目次