北大東島 旅行・観光ガイド ブログ
北大東島の観光 大池・上陸公園(上陸港跡)・北大東漁港
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南地区
空港がある南地区は、サトウキビ畑が広がる自然豊かなエリアです。また、島で最大の淡水池「大池」もあります。
前述の通り、北大東島は、集落が一カ所に固まっておらず、南地区にもぱらぱらと住居が点在しています。
北大東島は、島の外周に行くほど標高が高くなり、海抜が低い中央部を見渡すことができます。逆に、島の中央部から海は見えず、小高い丘に囲まれた農村のような印象を受けます。
どこの離島でも、水資源の確保に苦労していることが多いですが、特にサトウキビ栽培には大量の水が必要らしく、島の至るところに巨大な貯水池が造られています。
大池
北大東島は、環礁だった名残で、島の中央部に大小の淡水池があります。今回は、村の観光マップにも載っている大池に行ってみました。
大池は、島内で最大の淡水池。オヒルギ(マングローブ樹木の一種)の群生地として、国の天然記念物にも指定されています。
- 左手の茂みの向こうに大池がある。
しかし、舗装路からは近づけず、池の周りは茂っているので、場所は非常に分かりにくいです。
大池を探して近くを通ったものの、一回目は見つけられず通過してしまいました。たいして広いエリアでもなく、迷うはずは無いのですが、見つかりません。
畑の脇の未舗装路を進んでいくと、ようやく茂みの間から、大池の姿を捉えることができました。
南地区の街並み・飲食店
島の中心部からは、少し外れた場所にある南地区ですが、北大東島で唯一の村営住宅「南団地」が立地しています。団地内には集会所のような建物もありました。
- 北大東島唯一の村営住宅「南団地」。
大池の近くには、「行枝商店」があり、中野まで行かなくても、食料品・雑貨などが手に入ります。
- 大池の近くにある「行枝商店」。
空港方面に向かってみましょう。
「ブリーズ」は、空港に向かう道の途中にある飲食店です。さらに空港方面に進むと、「スナック ひで坊」があります。
- 空港方面へ向かう道沿いにある飲食店「ブリーズ」。
- スナック ひで坊。
空港の近くには、「大城商店」があります。本業は金物屋さんのようです。
- 空港近くにある「金物 大城商店」。
上陸公園
北大東島を開拓した玉置半右衛門率いる玉置商会の開拓団が、最初の上陸地点とした場所です。小さな公園として整備されていて、海岸へ降りることもできます。
開拓当時は、サトウキビの出荷港としても使われていたそうです。海へ下る坂道には、線路が敷かれていたとのこと。
海岸に降りてみると、ちょうど地元の人が釣りを楽しんでいました。天然の岩場が、ちょうど船着き場のようになっていて、上陸地点としては都合が良さそうな地形です。
- 磯に下りると釣り人がいた。
上陸公園のすぐそばには、村のゴミ焼却施設が建っています。
建設中の漁港
上陸公園から海沿いの道を東側へ進むと、何やら巨大な掘削現場に遭遇します。
道路が分岐していて、本線が大きく左へ逸れています。何があるのかと覗いてみると、地盤が削られ、大きな窪みができていました。これ、実は漁港の建設現場なんです。
- 道路が分岐している。
北大東島は、周囲を断崖絶壁に囲まれ、船が停泊できる港がありません。貨客船が入港する、西港・北港・江崎港は、いずれも海に突き出した岸壁があるだけの簡易な港で、船は接岸することができません(貨客船は、距離をおいて停泊し、クレーンで荷物を積み降ろす)。漁船は、クレーン車で都度陸へ吊り上げて保管するしかないため、島民は小型船しか所有できないのです。隣の南大東島も、最近まで同じ状況でした。
- 「見学所出入口」という看板が立っている。
一方で、大東諸島近海は、マグロやソデイカといった回遊魚が豊富な好漁場です。島民だけでなく、外来の漁船も訪れますが、“島はあるものの停泊地がない”という状況が続いていたといいます。
こうした状況を打開するため、南北大東島に、相次いで大規模な漁港がオープンすることになりました。地形的な制約から、陸地を掘り込む方式が採られ、人工的に船が停泊できる湾を造るという壮大な計画です。このような形の漁港は、日本では大東諸島以外に例が無いとのこと。
ここで掘削された残土は、西港~北港の外周道路沿いに積み上げられています。
南大東島では、2004年から南大東漁港(南大東地区)が供用開始。島民長年の願いが叶ったわけです。元々、南大東島に2港建設する計画でしたが、コスト面と、南北両村の交流促進のために、南大東島に建設するはずだった2港目の計画地を北大東島に変更した経緯があります。このため、北大東島の漁港でありながら、「南大東漁港(北大東地区)」という呼び名になっています。
南大東島滞在中に、同じ工法で造られた南大東側の漁港を見ていたので、この工事現場を見た時には、妙に既視感を覚えました。
北大東側は、南大東漁港の分港という扱いですが、その規模は南大東側の規模に匹敵します。
関係者以外は、工事現場に降りることができませんでしたが、専用の見学所が用意されていて、工事現場を一望できました。掘削現場は、見れば見るほど規模が大きく、大型のショベルカーが米粒のように見えます。
- 赤と白の縦縞が特徴的な地層。
この漁港が供用されれば、北からの波に弱い南大東側の漁港の代替港として活躍することになります。また、遠洋漁業の拠点としての活用も期待されています。
- 探索日
- 2013/05/01 - 03
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