奥多摩の廃村 峰集落 旅行・観光ガイド ブログ
峰集落
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苔生した集落
- 木製の電柱が倒れていた。
木製の電柱、井戸・貯水槽の跡など、人々の生活の痕跡があちこちに遺されています。
峰集落の住民は、元々林業を生業としていたらしく、植林された木々が今も残っています。廃村後、立ち退いて空いた土地にも植林が行われているようで、現在も定期的に間伐している様子が窺えます。集落を覆う杉林が、今も荒れることなくきれいに整っているのは、管理する人がいるからでしょう。
- 井戸の跡がありました。
- 屋敷跡だろうか。かなり広い敷地。
山の北東の斜面に位置しているせいで、一日の日照時間が短く、しかも木々が林立しているため、日光が届きにくくなっています。集落全体が苔に覆われ、じめじめとしているのは、そのせいだと思われます。
木々の間から漏れた光が、足下の苔を照らしている様子は、なかなか絵画的な情緒があります。
豊かな生活
最後の住民が山を降りたのが、昭和47年ということですから、そんな昔話でもないわけです。だから、当然といえば当然なんですが、こんな山奥でも、電気はもちろん通っていましたし、新聞や雑誌といったマスメディアもあったようです。
集落の奥の方へ入っていくと、いよいよ廃屋が見えてきます。残念ながら、木造家屋は全て倒壊していて、内部を窺うことはできませんでした。しかし、倒壊跡を見る限り、山奥にしては立派な家屋であったことが想像できます。
- 炭を作るための炉でしょうか。
倒壊した家屋の周りには、家財道具が散乱していました。食器やガスボンベ、子どもの遊び道具まで、様々です。
集落の一番奥に、集会ができそうな広場がありました。子どもたちの遊び場でしょうか。それとも、出荷前の木材を置いておくスペースでしょうか。
集落跡を一通り見て改めて思うのは、山奥の比較的制約の多い場所であるにもかかわらず、住民の皆さんは、上手く順応して豊かな生活を送っていたのだということ。慎ましさと豊かさとが共存する人々の暮らしが想像されます。
- 探索日
- 2009/10/11
このレポートには、さば柄氏 からご提供いただいた写真が含まれています。
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