小値賀島 旅行・観光ガイド ブログ
ガイドツアー(牛の塔・愛宕山園地・小値賀空港)
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島内ガイドツアーに参加
小値賀島滞在の最終日、あいにくの天気で、自転車での島内散策を諦めていたところ、おぢかアイランドツーリズムの窓口で「島内ガイドツアー」の存在を教えてもらいました。
島内ガイドツアーは、アイランドツーリズムのスタッフがガイド役となり、車で小値賀島の名所を回ることができるツアーです。ツアーは、9時半と14時半の2枠あり、それぞれ3時間となっています。
- 軽ワゴンで巡る島内ツアー。
ツアーは、参加者が一人でもいれば催行となりますが、一人だけだと料金が割高になるとのこと。今回は、ほかに一人参加者がいたため、辛うじて割高料金を免れました。
牛の塔
悪天候にも関わらず、海辺には人が集まって何かを採取していました。話を聞くと、今はちょうど「磯」が解禁中なので、島民で賑わっているとのこと。「磯」とは、サザエやアワビ、ウニといった海岸の海産物を島民が自由に採ってよい期間のことで、5~6月の間に3回解禁日が設定されます。
- 「磯」が解禁され、島民で賑わう海岸。
磯に参加するためには、漁協で「行使料」と呼ばれる費用を支払う必要があります。島民にとっては一大イベントらしく、何日も前から準備したり、このために休みを取ったりする人もいるのだとか。なんか楽しそうです。
そんな磯場の近くにあるのが、「牛の塔」です。
小値賀島は、元々2つの島だったのを、1300年代に埋め立てて、現在の形になっています。埋め立ての際には、多くの牛が労働力として活用され、犠牲となりました。「牛の塔」は、そうした牛たちを供養するために建てられました。
赤浜海岸
赤浜海岸は、文字通り、真っ赤な砂利が一面に広がる海岸です。砂利が赤いのは、鉄分を多く含むためで、小値賀島が火山だったことを示す証拠だと言えます。
小値賀空港
小値賀島の東端には、小値賀空港があります。かつて小値賀空港には、福岡空港と長崎空港からの定期便が就航していましたが、現在、定期便の就航はありません。
- 小値賀空港の駐車場。
定期便の就航は無いものの、チャーター機の受け入れは可能であるため、現在でも空港職員が常駐しています。広い駐車場には、職員のものと思われる軽自動車が一台だけ駐まっていました。
- 小値賀空港のターミナルビル。
ターミナルビルの中に入ることはできないものの、屋外の展望デッキに登ることはできます。管制室には明かりが点いていて、人が居るようでした。
小値賀空港の滑走路は、800メートルが一本だけ。東京の新島空港や神津島空港と同規模です。この規模だと、離着陸できるのは小型機に限られるわけですが、競合する高速船に対してメリットを訴求しきれなかったということでしょうか。
個人的には、長崎空港での乗り継ぎを考えれば、空路も一理あると思いますが。
地ノ神島神社
地ノ神島神社(ちのこうじまじんじゃ)は、前方郷にある神社です。野崎島にある沖ノ神島神社と対になっていて、両社は、海を隔てて、互いに向かい合っています。
小値賀島は、遣唐使の船が大陸へ渡る際、航路上に位置していた重要な島でした。一説によれば、地ノ神島神社は、遣唐使の航海安全を祈願して造られたものだとされています。
地ノ神島神社の本殿は、コンクリート造りの現代的な建物になっています。
参道は海を向いていて、本来は海側が正式な参道のようです。石段を下った岩場にもぽつんと鳥居が建っていて、海を通る船舶を見守る形となっています。この鳥居の向き先をたどっていくと、野崎島の沖ノ神島神社があるといわれています。
この日は天候が悪く、残念ながら、野崎島の方向は、霞んで見えませんでした。
愛宕山園地
愛宕山は、島の北東部にある山です。標高75メートルほどの低い山ですが、小値賀島の南側が一望できます。
この日は、天気が悪かったため、いまいちの眺望でした。島の東端である唐見崎も望めますが、こちらも雲に隠れてしまっていました。
建武新田
最後に案内されたのは、「建武新田」という場所。
ただの水田地帯のように見えますが、ここはかつて海だった場所です。前述の通り、小値賀島は、大規模な干拓工事により、2つの島を繋げて現在の形になっています。ここは、まさに干拓によって陸地となったところです。
- この一帯は、かつて海だったが、干拓によって陸地が繋がった。
よく見ると、水田の形が妙に縦長に区切られていますが、これは、当時牛を使って耕していたため、このような区画になったのだそうです。
有名どころから、ディープな歴史まで見て回ることができ、ガイドツアーを利用して良かったと思います。
- 探索日
- 2015/04/30 - 05/04
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