青ヶ島 旅行・観光ガイド ブログ
青ヶ島村の集落
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東京都青ヶ島村
青ヶ島村は、東京都に属する村で、人口は200人足らず。日本一人口が少ない自治体です(訪問当時)。また、お盆の時期を除いては、島民の多くが仕事や進学のため島を離れており、実質的な人口はもっと少ないのではないかとされています。
集落は島の北部に集中しています。狭い範囲に役場、小中学校、図書館、駐在所、郵便局などがあり、ヘリポートもこのエリアにあります。民宿もほとんどが徒歩圏内です。
人口200人に満たない小さな島でありながら、学校や地域の公共施設は立派。東京都から潤沢な資金が投入されていることが伺えます。
東京都内であるため、島内を走る車はどれも「品川」ナンバーですし、テレビ放送は都心と同じキー局が映ります。
青ヶ島に限ったことではありませんが、島の人は必ず挨拶をします。部外者の私でも、挨拶すれば必ず返してくれます。小学生も向こうから元気に挨拶してくれました。
挨拶すると、「観光?どこから来たの?」とそのまま世間話に発展することもしばしば。島の人は基本的に話好きで、観光客に対しても好意的です。集落を歩けば、自然といろんな人に絡まれます。
島内は起伏が激しく、集落も登ったり下ったりの繰り返しです。このため、ちょっとした距離を歩くにも時間が掛かり、夏の暑い時期なら汗だくになります。
- 所々で立派な石垣が見られる。
- 島内には平屋建ての家屋が多い。
- 島内には空き家も多い。
島内には住所がありません。全域が「東京都青ヶ島村無番地」となり、郵便は宛名だけで配達されます。もっとも、地名が無いわけではなく、かつては住所が存在していたそうです。地元の人は、今でも古くから呼ばれる地名を使っているようです。島内の地名には、「休戸郷(ヤスンドゴウ)」「西郷(セイシゴウ)」「中里」「池之沢」「ジョウマン」などがあります。
- 青ヶ島小中学校の校舎は現代的で立派。
- 小中学校の体育館も立派。
島内の道路は狭く、舗装もあまりきれいとは言えません。車がやっと行き違えるくらいの道幅なので、当然、信号の付いた交差点なんてありません。
例外的に、小中学校から坂を下ったところにある横断歩道に、押ボタン式の信号機が付いています。位置から察するに、教育用か、或いは子どもたちが大勢移動するときに利用するものと思われます(道を渡ったところに学校の体育館がある)。
いずれにせよ、島で育った人が「信号なんて見たことない」状態で島外に出るのは危ないので、こうした離島には、必ず一箇所信号を設けるようにしているそうです。
- 島内唯一の信号機は押ボタン式。
青ヶ島郵便局は、島内唯一の金融機関でもあります。もちろんATMも稼働しています。窓口は土曜休日も営業していて、意外と利便性は高いです。
- 郵便局の右奥が「ビジネス宿中里」。
ちなみに、郵便局の右奥にあるのが、今回宿泊した「ビジネス宿中里」です。
十一屋酒店
十一屋酒店は、青ヶ島でただ一つの商店。酒店を名乗っていますが、生鮮食品から菓子、日用雑貨に至るまで、一通りのものが揃うスーパーのような存在です。輸送費が上乗せされているのか、やはり物価は高いですが、これだけの品揃えなら、暮らすのには困らなそうです。
- 十一屋酒店は島唯一の商店。
洗濯洗剤を買おうと思ったのですが、小分けの洗剤が置いて無くて、お店の方に特別に分けてもらいました。
十一屋さんには、島のお土産も揃っています。職場で配るのにちょうど良い個包装のお菓子があったので、洗剤のついでに購入。
- 十一屋酒店の前に座り込む猫二匹。
店の前で行儀良く座って待っている猫が、印象的でした。
- 島内唯一のガソリンスタンド。
ちなみに、十一屋酒店は、向かいのガソリンスタンドも経営。島内の自動販売機も十一屋さんの名義になっているので、村の商業活動のほとんど全てを握っていると言っていいと思います。
居酒屋もんじ
島内にある居酒屋は、「居酒屋もんじ」と「おじゃれ杉の沢」二軒です。このうち、民宿中里に近い「もんじ」さんにおじゃましてみました。
居酒屋もんじは、郵便局を過ぎて坂を上がったところ。コンクリート造りのシンプルな建物で、看板も小さく、知らないと一見居酒屋とはわかりにくいです。
- 「もんじ」は、一見居酒屋とは分かりづらい外観。
お店は夕方開き、深夜まで営業しています。夜更けてから行ってみると、ささやかにライトアップされていました。
店内は、アットホームな雰囲気。カウンター席とテーブル席、お座敷があり、カラオケセットも常備されています。
話し上手のマスターは、実は群馬出身で、元々は仕事の関係で島に来ていたそうです。前のオーナーが店をやめると聞いて、自ら引き継いだとのこと。毎晩、どこからともなく人が集まってきて、マスターとの会話を楽しみます。
ちょうど牛祭りの時期で、島に帰省する人が多かったこともあり、家族親戚の話題がメイン。全くの部外者だった私も、話を聞くうちに、何となく親戚関係の図が描けてきました。
店内には、歴代の常連客やその親類を映したたくさんの写真が貼ってあり、中には村長の幼少期の写真もあって面白かったです。
誰が足を踏み入れても、温かく仲間に入れてくれる雰囲気で、みんなが一つの家族のようでした。
居酒屋もんじには、客の相手をする女性店員がいて、通称「もんじガール」と呼ばれています。彼女たちの多くは島外出身者で、マスターが用意した寮に住んでいます。
年頃の女性との出会いが少ない島の男性たちにとって、「もんじガール」は数少ない女性との接点。皆思い思いのアプローチを仕掛けてくるそうです。
「もんじガール」は、半年~1年弱の周期で変わり、その都度島外から集めてくるのだとか。地理的な制約もあるので、基本は電話での受け答えと写真で採用を決めるのだそうです。
「もんじガール」をきっかけに島が気に入って、契約期間が終わっても遊びに来る人もいれば、馴染めずにすぐ辞めてしまう人も。確かに向き不向きはありそうです。
- 探索日
- 2011/08/07 - 10
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