鶴見線 路線図・旅行・観光ガイド ブログ

扇町駅(鶴見線)・扇町緑地・三井埠頭バス停

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扇町バス停(東洋埠頭入口)で下車

川崎港郵便局前から川崎市バスに乗車し、終点の扇町で下車しました。すると、鶴見線の扇町駅とは全く異なる場所でした。

扇町バス停付近
「扇町」のバス停で降りたら、目的と違う場所に着いた。

どうやら県道101号線の終点で降ろされたようで、周囲には東洋埠頭の入口があるだけ。扇町駅へ向かうには、800メートルほどの直線道路を引き返し、扇町交差点で左折する必要があります。距離にして約1.5km、20分ほど余計に掛かりました。

これ、初めて扇町を訪れる人がハマる罠みたいですね。扇町駅へバスで行く場合は、川崎市バスの「扇町行き」ではなく、川崎鶴見臨港バスの「三井埠頭行き」に乗車します。

川崎バイオマス発電所
川崎バイオマス発電所と木質資源リサイクル工場。

せっかくなので、東洋埠頭付近の工場を眺めつつ、扇町駅方面へ向かいます。

通りの西側には川崎バイオマス発電所と木質資源リサイクル工場が見えました。また、東側に見える広大な空き地は、東亜石油(昭和シェル石油の連結子会社)の京浜製油所扇町工場の跡地です。

京浜製油所扇町工場 跡地
撤退が完了し、広大な空き地となった京浜製油所扇町工場跡地。

かつて、ここには巨大な製油所があったそうですが、経営合理化のため、2011年に閉鎖されました。跡地の一部は昭和シェルのバイオマス発電所の建設予定地となっていますが、残りの敷地を何に使うのかは、まだ発表されていません。

扇町駅に到着

鶴見線の路線図

市バスの扇町バス停から歩いて、ようやく扇町駅に到着しました。

扇町駅
扇町駅に到着。

扇町駅は、鶴見線の終着駅です。駅舎やホームには猫が棲みついていて、猫を撮影するために訪れる人も多いようです。

扇町駅 改札 無人駅
扇町駅の改札口。

浜川崎~扇町は単線区間であり、多くの列車が浜川崎駅で折り返してしまうため、日中は列車が2時間来ないこともあります。一方で、臨港バスは日中でも10分間隔で走っているため、鉄道よりもバスの方が利便性が高くなっています。

扇町駅 のりば
階段を上ると、すぐにホームがある。
扇町 単式ホーム
一線折り返しのシンプルなホーム。

扇町駅の周辺は、まさに工業地帯という感じ。住宅地は無く、小規模な食堂や商店があるだけです。アパートのような建物を見かけましたが、空気が悪く、住みやすい環境には見えませんでした。

扇町 駅前
扇町の駅前。
扇町 貨物駅
旅客駅の脇を走る貨物線。

扇町駅は、貨物駅でもあり、旅客駅の隣には、多数の貨物線が走っています。踏切付近には、太平洋セメントの貨車が留置されていました。

太平洋セメント 貨車 扇町
武州原谷駅所属の貨車が留置されていた。

扇町を歩く

扇町駅から足を延ばして、扇町地区の最奥部を散策してみます。扇町の道路は基本一本道で、交差点もあまりありません。扇町駅を過ぎた先の道は、扇町の奥地へと繋がる唯一のルートです。

JR東日本川崎火力発電所
JR東日本の川崎火力発電所。

まず、道の突き当たりにあるのは、JR東日本の川崎火力発電所です。JR東日本管内の鉄道運行に必要な電力の約4割を供給しています。同一敷地内に1~4号機が設置されていて、2014年4月には、新4号機が稼働し始めるそうです。

関係者以外は立ち入り禁止のため、発電所建屋の裏側から眺めることしかできません。

扇町 道路上の管
道路の上を管が横切っている。

川崎火力発電所の手前のT字路を曲がると、昭和電工の川崎事業所があります。この道路は、両側が昭和電工の工場となっていて、パイプラインや電線などの管が頭上を横切っています。一般の公道ではあり得ない風景です。

扇町 廃止された踏切
奥の方に踏切が見える。

途中、十字路がありますが、左右どちらも工場敷地内へ続く道路のため、関係者以外の立ち入りはできません。

扇町 昭和電工 工場
ここから先は工場の敷地内となるため立ち入り禁止。
昭和電工 川崎事業所
管が張り巡らされた構内道路。

交差点と並んで、踏切の跡も残っていました。これは、扇町駅から分岐していた昭和電工専用線の廃線跡で、2008年に廃止されたようです。線路はもう使える状態ではありませんが、踏切設備がそのまま残っていることに驚きました。

昭和電工 扇町 踏切

昭和電工専用線 踏切
昭和電工の専用線は、2008年に廃止されたらしい。

近くの電柱には、「スクールゾーン」の文字がありました。「横浜市」と書いてあるので(ここは川崎市)、電柱を再利用しているのでしょう。周囲にはもちろん学校などありませんし、そもそも子どもが住んでいません。

扇町 電柱 転用
再利用と思われる電柱。スクールゾーンの表示が残ったまま。

昭和電工の工場からは、もくもくと白煙が上がっていました。もちろん浄化された排煙だと思いますが、あまり気持ちの良いものではありません。扇町全体として、空気がくすんでいて埃っぽい感じでした。

京浜工業地帯 排煙
工場の煙突からもくもくと白煙が上がる。
扇町 工場
巨大な工場設備が建ち並ぶ。

いよいよ扇町の最奥部へ入ります。ここは「川崎鍛造工業協同組合」に加盟する中小企業が集積しているエリアで、町工場のような独特の雰囲気が漂っています。ロの字型の道路沿いに工場が建ち並んでいるので、道なりに進むと、地区を一周することができます。

また、一番奥には、「扇町緑地」という公園があります。工業地帯の最奥部にある公園とは、一体どんな場所なのでしょうか。気になります。

扇町6丁目付近
扇町緑地を目指して歩く。
扇町の猫
猫がいた。

休日でしたが、稼動している工場もそれなりにありました。産廃処理会社を覗くと、ちょうどフォークリフトでコンテナを運んでいるところでした。ダンプカーや大型トラックが頻繁に出入りするためか、道路は全体的に埃っぽく、清掃が行き届いていない様子です。

川崎区扇町 中商 扇町CRセンター
フォークリフトでコンテナを運んでいた。

扇町緑地

扇町駅から15分ほど歩いて、ようやく扇町緑地に到着。工場街の一角にひっそりと残る空き地のような場所でした。早速中に入ってみます。

扇町緑地 入口
扇町緑地に到着。

扇町緑地 看板

入る前から嫌な予感はしていましたが、もはや公園という雰囲気は無く、ものすごい荒れ地です。人間の背丈以上もある茂みが一面に広がっていて、部外者の侵入を拒んでいるように見えます。

扇町緑地 風景
茂みに覆われた扇町緑地。

どうやら、茂みの中は猫の住処になっているらしく、がさがさと音がします。猫にとっては、なかなか住み心地が良い場所なのかもしれません。

それにしても、こんな惨状になる前に、誰か手入れをしようと思わなかったのでしょうか。場所柄、子どもや子連れのファミリーが訪れることは無いでしょうし、川崎市から見放されているのかもしれません。

扇町緑地 散歩
緑地の奥の方へ歩いてみる。

入口から向かって左側の壁沿いは、辛うじて人が通ることができたので、岸壁近くまで進んでみました。

扇町緑地 陥没
緑地の土地が陥没していた。

扇町緑地は南渡田運河に面しているため、対岸を眺めることができます。ただ、緑地の土地が陥没していて、岸壁に建てられているフェンスが倒れていました。フェンスの向こう側が運河だということを考えると、もうちょっとしっかりフェンスを造って欲しいところです。

南渡田運河
扇町緑地から南渡田運河を眺める。

鶴見線散策を終えて

扇町の散策を終えて、三井埠頭バス停から臨港バスに乗車し、川崎駅へ向かいました。

三井埠頭バス停
三井埠頭バス停から川崎駅行きの臨港バスに乗る。

鶴見線沿線は、どの駅も独特の雰囲気を持っていて、歩いていて飽きません。実際に現地を訪れてみると、路線図だけでは分からない、そこで働く人々の生活模様まで見えてくるので面白いです。

もし、自分がこの工場街で働いていたら、また違った人生があったのでしょうね。

引き続き、川崎工場夜景のレポートへ

探索日
2014/03/08
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