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安善駅・浜安善駅(石油駅)・石油支線・鶴見の米軍基地

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安善駅まで歩く

浅野駅から、船宿「富士丸」の前を通って安善駅へ向かいます。浅野駅~安善駅間は約700メートルなので、徒歩で10分ほどです。

安善駅前通り
安善駅に続くメインストリート。

安善駅へ続く道沿いには、商店やアパートが軒を連ねています。この辺りは、鶴見線沿線では珍しく住宅街となっています。かつて臨海部に拠点を構えていた企業が、社宅を安善駅前に建設したことが発端となっているようです。

安善駅について

鶴見線の路線図

安善駅
安善駅の駅舎。

安善駅は、本線と大川支線の乗換駅です。とは言っても、大川行きの列車が来るのは朝と夕方・夜だけで、日中、大川行きの列車を目にすることはありません。

また、安善駅から南へ貨物線が延びていて、かつて安善町の南端に「浜安善駅」という貨物駅がありました。浜安善駅は廃止されましたが、今でも安善駅の構内扱いで、旧浜安善駅方面へ貨物列車が運転されています。

ほていや酒店
安善駅の向かいにある「ほていや酒店」。
安善駅 住宅地
鶴見線では珍しく、駅前に住宅が並ぶ。

安善駅の南側には工場や物流倉庫、米軍基地が広がっています。

安善 踏切
安善駅前の踏切。

安善駅には、多数の貨物側線があり、安善駅の近くには、5本の線路を跨ぐ大規模な踏切があります。

安善駅 鶴見線
安善駅に浜川崎方面の列車が入線。

浜安善駅へ歩く

浜安善駅の跡地まで歩いてみました。踏切を渡り、わずかに並ぶ人家を過ぎると、まっすぐに延びる直線道路を延々と歩くことになります。

安善 浜安善 道路
浜安善方面へ歩く。

すぐに左手に見えてくるのは、在日米軍の鶴見貯油施設です。アメリカ海軍の付属施設で、貯蔵能力は在日米軍最大とのこと。ここから横田基地や厚木基地にジェット燃料が輸送されているそうです。

安善 米軍鶴見貯油施設
レールは米軍基地へ繋がっている。

鶴見貯油施設には、安善駅から線路が通じており、鉄道による燃料輸送ができるようになっています。通り沿いにゲートがありますが、厳重なフェンスと監視所があり、近づくことも躊躇する状態。英語の注意書きで固められているのが怖いです。

安善町 米軍基地 ゲート
鶴見貯油施設の入口。

安善駅から浜安善駅に向かう貨物支線は、かつて「石油支線」と呼ばれていました。これは、この地区を埋め立てた当時、石油関連企業が多く集まったことに由来しています。米軍の貯油施設になっている敷地も、かつては日本石油の製油所がありました。

鶴見線 浜安善支線
道路と並行で直線的に延びる貨物支線。

この貨物線は、一時旅客化されていたそうですが、旅客営業は戦前に廃止されました。

ヤマト運輸 神奈川ベース
ヤマト運輸の拠点の中で最大級を誇る神奈川ベース。

鶴見貯油施設の向かいには、ヤマト運輸の神奈川物流ターミナルがあります。神奈川県内の仕分け業務や主管業務を担う神奈川ベース店や神奈川主管支店が入居しています。

安善町 行き止まり
この先行き止まりの看板。

石油支線が旅客営業を行っていた際、この辺りには、「安善橋」という旅客駅があったそうです。現在は、同名のバス停があります。

安善町 京浜運河
京浜運河を渡る。

安善橋を渡り、京浜運河を超えると、安善町2丁目に入ります。

プロロジスパーク横浜鶴見
プロロジスパーク横浜鶴見の前を通った。
浜安善支線 分岐
プロロジスパークの前で線路が分岐する。

安善橋を超えてすぐのところにあるのが、プロロジスパーク横浜鶴見。物流施設大手のプロロジスが運営する物流拠点です。入り口には、線路が2本横切っていて、踏切が設置されています。

プロロジスパーク 線路
この先まだ線路は続いている。

浜安善駅跡(旧石油駅跡)

安善町中央バス停
「安善町中央」のバス停。

安善町中央のバス停を過ぎると、いよいよ貨物支線の終端、つまり、浜安善駅があった場所が見えてきます。

安善町 踏切
警報機のない踏切。

道路上に立つ「とまれみよ」と書かれた踏切の標識。よく見ると、この先で線路が道路を横切っています。しかし、踏切の遮断機や警報機は見当たりません。

実は、道路を横切って線路が通じている敷地は、前出の鶴見貯油施設の飛び地。エリアⅠと呼ばれる区画になります。

安善町バス停
待合所を備える「安善町」バス停。
安善町バス停付近
来た道を振り返る。人通りはほとんど無い。

貨物線は、貯蔵されている燃料を運び出す時に使われます。運行は不定期なため、列車が道路を横断する際は、ロープを張って、保安員が見守る形となるそうです。

鶴見線 米軍基地 引き込み線
ここで貨物が分岐し、道路を横切る。
浜安善支線 米軍基地 貨物線
アメリカ海軍の鶴見貯油施設へ続く引き込み線。
手動 ポイント切替 鶴見線
手動のポイント切替器があった。

鶴見貯油施設への分岐を過ぎると、まもなく貨物支線の終点となります。終点には、コンクリート製の大きな列車止めが設置されています。この辺りに浜安善駅がありました。

鶴見線 貨物支線 車止め
浜安善支線の終端。

かつては貨物ヤードがあり、旅客駅の駅舎も残っていましたが、ひと通り解体・整理され、現在の状態になっています。

なお、浜安善駅は、開業時には「石油駅」という名称でした。これは、この周辺に石油会社の工場があったためですが、現在も、昭和シェル石油横浜事業所が立地しています。

昭和シェル石油横浜事業所
かつて浜安善駅があった場所には、昭和シェル石油の事業所がある。

安善駅から鶴見線に乗車する

浜安善駅まで歩いてきたので、安善駅へ戻ります。歩いて戻っても良いのですが、駅まで1kmちょっとあり、徒歩で15分ほど掛かるため、路線バスを利用してみました。ちなみに、バスは安善町というバス停が鶴見方面への始発となっていて、通勤客が多いためか、待合所も造られています。

安善 臨港バス
だいぶ歩き疲れたので、安善駅までバスで戻る。

鶴見方面からやってきたバスは、いったん昭和シェル石油の敷地へ入り、Uターンして戻ってきます。

安善駅 改札口
安善駅は無人駅で、簡易Suica改札が設置されている。

安善駅の駅舎はとてもシンプル。かつてはトイレがあったようですが、撤去されてしまい、現在トイレはありません。ホームが線路を渡った先にあるため、列車の到着直前だとホームへ行けない可能性があり、注意が必要です。

安善駅 ホーム
踏切を渡った先にホームがある。
安善駅 浜川崎行き鶴見線
浜川崎行きの列車が来た。

浜川崎行きの列車に乗り、次の目的地である浜川崎駅に向かいます。

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探索日
2014/03/08
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