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大内岩屋観音堂 (豊後高田市の観光スポット)
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大内岩屋観音堂について
大内岩屋観音堂は、岩屋(洞窟)の中に造られた観音堂。山間の集落にあり、長年地元に親しまれてきた由緒ある観音様のようです。国東半島には、こうした地域密着の仏閣が多数存在しています。
大内岩屋観音堂の場所と行き方
竹田津港から車で走ること25分。豊後高田市を走る県道31号線から脇道に逸れて、「一畑(いちはた)」という地区に入ります。5、6軒の民家が点在する鄙びた集落です。
細い道が入り組む山間の集落ですが、所々に観光客向けの小さな駐車スペースが確保されています。正月休みだというのに、集落に人影は皆無。不気味なほどに静まりかえっています。
- 大内岩屋観音がある一畑地区。
集落内には、「ぼけ防止の大内岩屋観音」などと書かれた看板が立っていて、観光客を導いてくれます。しかし、ここを訪ねてくるマニアックな観光客は、どのくらいいるのでしょうか。近くには錆び付いて折れてしまった看板も放置されていました。
- 大内岩屋観音は、ぼけ防止に効くらしい。
集落内には、豊後高田市が運営する「市民乗合タクシー」の「大日小橋」停留所がありました。ただ、時刻表を見ると、運行されるのは、月・火・水・金曜日のみ。しかも、戻る便が午前中に3本しかありません。住民の生活路線ということでしょうね。
- 乗合タクシーがあるらしい。
集落の家々は、一定の距離をおいて点在していて、住居が密集した感じではありません。至る所に石垣があり、段状に住居や田畑が造られていました。
- 人の気配がない集落。
岩屋観音の場所が分からず、あてもなく歩いていると、手描きの案内図を発見。丁寧に図解されていますが、結局どこに向かえばいいのか分かりにくい地図です。どうやら、左端に描かれているのが、今回の目的地と思われます。集落内に駐車場が何箇所かあるようですね。
案内図に従って、倉庫の脇の細道を進みます。すると、川にコンクリートの小橋が掛かっている場所がありました。ここが入口のようです。確かに、案内図が無いとこの入口は見つけられないと思います。
仏のもと
小橋を渡ると、ちょっとした庭園のような空間が広がります。人の家の庭に入ってしまった感じですが、ここが「仏のもと」と呼ばれる場所のようです。
辺りを見回すと、数え切れないほどのお地蔵さまが、こっちを見ています。お地蔵さまは、石に顔を彫り込んだだけの作りが粗いものが多数を占めていますが、それにしても凄い数。ここだけで100体以上あるのだそうです。
- 不気味なイラストが貼り付けてある。
この凄まじい数のお地蔵さまを彫ったのは、実は近所にお住まいの原内さんという一人の方だそうです。国東半島には、歴史的に仏教が深く根付いていると言われますが、仏像作りをライフワークにしている人が多いのでしょうか。
「幸せの鐘」と書かれた小さな釣り鐘がありましたが、何の説明書きも無く、その所以を知ることはできませんでした (とりあえず鳴らしてみました)。ちなみに、「幸せの鐘」の向かいには、「愛の鐘」もありました。こちらも、特に謂われは書かれていません。石仏に囲まれていて、ちょっと怖いです。
岩の割れ目にもお地蔵さまが並んでいました。こちらは、「くうぜ石仏」と呼ばれているそうです。
石仏をよく見ると、様々な表情で作られています。どれも優しい顔で、見ていると癒されます。
ちなみに、仏のもとを抜けたところに、「川中不動尊」というのもあります。小川に面した岩の表面に石仏が彫られています。ちょっと判別しづらいので、知らないと見落としてしまいます。「川中不動尊」といえば、山を隔てた天念寺の近くに、もっと本格的な川中不動尊があります。
大内岩屋観音堂
さて、いよいよ目的の岩屋観音堂へ向かいます。仏のもとを抜けて、畑のあぜ道のような所をしばらく歩いていきます。
細い石段を、さらに上へ上へと登っていきます。この辺りは、段々畑になっているようです。かなり立派な石垣が造られて整地されています。
かなりの高低差を登っていきます。一応、鉄パイプの手すりが造られていますが、ちょっと心許ないです。
ようやく、大内岩屋観音堂に到着。仏のもとから、急ぎ目に歩いて3分くらいでした。
見事に、岩の中にすっぽりと収まったような造りのお堂です。「ぼけ防止の観音」として親しまれているそうです。
建立時期は不明ですが、400年以上前の史実に登場していることから、かなり歴史のある観音堂であることは間違いなさそうです。ただ、建物自体は、洞窟内にあるためか、かなり新しく見えます。何度か建て替えられたのかもしれません。
建物は二階建てになっていて、仏間は二階にあります。一階には、寄付した個人や団体の名前が記された札が掲げられていました。何に使うのか、針金ハンガーやパイプ椅子も置いてありました。
階段の脇にはスリッパが置いてあったので、たぶん土足厳禁だろうと思い、靴を脱いで上がりました。灯りがないため、二階は真っ暗ですが、外から差し込む自然光で、何とか内部の探索は可能です。
暗くて分かりにくいですが、内部は天井が高く、かなり広いです。観音像と石仏が10体くらい並んでいました。全体的に素朴さがあり、地元の人に長年親しまれてきた感じがします。
国東半島に上陸して最初の訪問スポットでしたが、早くも国東半島の神秘的な雰囲気を感じ始めていました。そして何より「人の姿が見当たらない」のが不気味です。
- 探索日
- 2013/01/02 - 04
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