土合駅(上越線の地下駅) 旅行・観光ガイド ブログ
土合駅の階段 (地中駅、日本一の地下駅)・地下トンネルのホーム
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長い連絡通路
駅周辺の散策を終えて、いよいよ下り線ホームへ向かいます。
ちなみに、下り線の列車が来るまであと20分しかありません。普通に下って行く分には十分な時間ですが、撮影しながらだとギリギリかもしれません。周辺散策に時間を使いすぎました。
下り線は、改札を抜けたら左へ。いきなりトンネルに入るわけではなく、まずは150メートルほどある連絡通路を進みます。連絡通路については、先ほど外から見たとおりで、国道と湯桧曽川を跨ぐ大掛かりな構造になっています。
通路に入ると、早速不思議な雰囲気。ちょっと古びた学校のような、駅の中とは思えない空間です。
節電のためか、蛍光灯は消灯されていて、窓から差し込む太陽光が通路を照らしています。大きめに造られた窓が、余計に「校舎っぽさ」を醸し出しているのかもしれません。
雪に埋もれている窓もあれば、青空が顔を出している窓もあります。総じて言えるのは、この通路が半分以上雪に埋もれた状態ということです。窓の外側に鉄格子のようなものが付いていますが、雪の加重から窓を守るためのものかもしれません。
通路は途中、アップダウンがあります。国道を跨ぐために、高さを稼いでるのだと思われます。
結構進んできた気がするのに、まだまだ通路は続きます。列車の時刻まであと15分ほど。少し気持ちが焦ります。
薄暗い通路の先に、光が差す扉があります。この先には何があるのでしょうか。
風圧調整の空間
扉の裏側には、「お疲れさまでした。」という文字が。トンネルの階段を登ってきた利用客を労うメッセージです。ちなみに、ここに書かれている情報によると、改札口からここまで143メートルを歩いてきたようです。ここから先、462段の階段が待ち構えています。
扉を抜けると、ちょっと広めの明るい空間に出ました。奥に地下トンネルの入口があります。真ん中に立つ衝立のような巨大な構造物が気になりますが、風除けとして使われているようです。
というのも、列車通過時には、トンネル内に風圧が生じ、地下から強い風が吹き上がってきます。これをそのまま細い通路に流してしまうと、風圧で窓ガラスが破損する恐れがあります。そこで、いったんこの広い空間を設けて、衝立で風を左右に分散させることで、この先の通路に風が流れ込まないようにしているわけです。扉で空間が仕切られていた理由も分かりますね。
窓を開けて外を覗くと、ちょうど湯桧曽川を渡る橋の上にいることが分かりました。こののどかな風景とも間もなくお別れです。
地下トンネルを下る
さあ、いよいよ地下へ下ります。果てしなく続く階段は圧巻。終わりが見えないので距離感が掴めません。他では体験できない不思議な感覚です。
そして、列車の到着まであと10分しかありません。時計をチラチラ確認しつつ、急いで階段を下ります。
蛍光灯が一定間隔で点灯しているものの、地上の通路に比べると、かなり暗く感じます。何も知らずに土合駅で下車した人は、この雰囲気に驚くでしょうね。
階段の脇に空間が残されているのは、エスカレーター設置用でしょうか。6年前にこの駅を訪れた際は、地下ホーム工事の関係で、工事物資を運搬するための作業用モノレールが設置されていました。現在の利用者数を考えると、エスカレーター設置はなかなか難しそうです。
7分ほど掛けて、ようやく階段の終端に到着。列車到着の3分前で、ほっと一息。下から見上げると、トンネルの出口が遙か遠くに見えます。長さ338メートル、高低差およそ80メートルという、日本一の地下駅の光景です。
地下ホームは、近年ホームの付け替え工事が行われ、照明や表示板が新しくなっていました。
元々ホームは手前の副本線が使われていましたが、通過線を使う形でホームが新設されました(ちょうど6年前に訪れた際その工事をしていた)。よく見ると、新設されたホームは、旧ホームに比べてかさ上げされているのが分かります。
旧ホームと新ホームの間には柵が設けられ、旧ホームの大部分は立ち入りができないようになっています。
旧ホーム上にある待合所は、現在も利用できるようで、一部のベンチが新しいものに付け替えられていました。待合所の奥の方にあるトイレも利用可能でした。
間もなく、列車が近付く音が聞こえ、待合所にいた人がホームに集まり始めます。強烈な光を灯しながら、長岡行きの列車が入線してきました。
この列車を逃すと、4時間後まで列車は来ないため、迷わず乗車。越後湯沢へ戻ります。この日は、越後湯沢の温泉でゆっくり過ごした後、上越新幹線で東京へ帰りました。
- 探索日
- 2014/02/11
このレポートには、さば柄氏 ・ nokinoshi氏 からご提供いただいた写真が含まれています。
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