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海軍壕公園(旧海軍司令部壕)に行った
海軍壕公園(旧海軍司令部壕)に行った
沖縄の那覇市と豊見城市にまたがる場所に、旧日本軍の防空壕跡があります。沖縄における重要な軍事拠点であった小禄飛行場(現在の那覇空港)を守るため、飛行場を見下ろせる位置が選ばれたという経緯があるそうです。
現在ここは海軍壕公園として整備されており、防空壕跡も一部を除いて公開されています。
海軍壕公園へは、モノレール(ゆいレール)奥武山公園駅で下車し、山下停留所から豊崎方面のバスに乗車します。宇栄原団地前で下車後、徒歩で約10分弱です。
公園自体は、市街地を見下ろす高台に位置しており、見晴らしが良いです。公園は非常に広く、遊具なども整備されており、地元の方の憩いの場となっているようです。
公園全体が追悼施設の意味合いもあるようで、戦没者慰霊の塔や、地元有力者の墓地などもありました。全体的に、賑わっているというよりは、静寂感が漂っています。
ぱっと見どこに地下壕があるのかわからないのですが、「海軍壕公園ビジターセンター」と書かれた施設が、地下壕への入り口も兼ねています。ここで入場料(600円)を払い、いよいよ壕の中へ入っていきます。
まずは、細い階段を延々と下っていきます。入り口が丘の上なので、地下壕まで結構落差があります。
地下壕は、戦後補強された部分もあると思いますが、基本的には戦時中の状態をそのまま保存しているとのこと。入り口の階段付近は全体的にコンクリート仕上げとなっていますが、これも戦時下当時の施工のようです。
壕内には、手掘りのノミの痕が天井にそのまま残っている箇所もあります。兵士たちが掘ったのでしょうか。
旧海軍司令部壕は、全長約450メートルあり、全て手作業で掘り進められたというから驚きです。
地下壕のメインストリート(?)の通路はそれなりに幅もあり、建物の中にいるような安心感がありました。
通路には、司令室、幕僚室、暗号室などが並び、海軍司令部の中枢を担う重要拠点であったことがわかります。
下士官・兵員の部屋は、幕僚室からは若干離れていますが、戦闘が激化してくると、4千名もの兵士が壕内にひしめき合い、通路で立ったまま睡眠を取る人もいたそうです。
なお、地下壕は全てが公開されているわけではなく、一部非公開エリアもあります。
司令官室には、自決した大田司令官の辞世の句が残されています。
約20万人の犠牲者を出した沖縄戦の司令部ということで、ここに集った司令官たちの緊迫感が伝わってきました。
幕僚室には、自決した際に飛び散った手榴弾の弾痕が生々しく残っています。ここに限らず、壕内では1千人以上の遺骨が見つかったそうで、当時の厳しい戦況が想像されます。
- 投稿日時
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2015年03月08日
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