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鯛よし百番(飛田新地)ですき焼きを食べた
鯛よし百番(飛田新地)ですき焼きを食べた
大阪を代表する風俗街として名高い「飛田新地」。「鯛よし百番」は、飛田新地の端に位置する料亭で、なんと、遊郭として使われていた建物をそのまま利用して営業しています。
飛田新地の中にありながらも、ファミリーで食事が楽しめる料亭ということで、大阪在住のHizuru氏とその家族を誘って、みんなで行ってみることにしました。
そもそも飛田新地があるのは、日本一の超高層ビル「あべのハルカス」がそびえる天王寺駅のすぐ近く。大阪を代表する繁華街でありながら、駅から離れると、マンションが建ち並ぶ閑静な住宅街が広がっています。
そろそろ飛田新地か、というところでアーケード街を発見。「新開筋商店街」という商店街のようです。ここは、飛田新地の北端に位置し、この商店街の裏手はもう風俗街です。夜だったので、営業中の店は少なかったですが、人通りはそれなりにあるようです。
商店街を途中で曲がって、いよいよ飛田新地に突入。撮影は自粛しましたが、各店が通りに向かって女性を座らせ、照明を当てて呼び込み用のディスプレーにしていました。大抵の場合は、女性の横におばあさんが居て、客捌きをしていました。暗い夜道に、風俗嬢を照らす照明が妙に眩しく、異様な光景として映りました。
以前、吉原に行ったことがありますが、表に女性を座らせている店は無かったように思います。これは、関西特有のスタイルなのでしょうか。
飛田新地の異様な光景を堪能しつつ、「鯛よし百番」に到着。一見すると、他と同じくいかがわしい風俗店のようにも見えますが、ここはファミリーも楽しめる飲食店です。風俗店街からは、一区画だけ距離をおいており、一息ついて外観を撮影することができました。
鯛よし百番の建物は、大正時代から遊郭として使われていたもので、文化庁から登録有形文化財の指定を受けた歴史的な建築物。「百番」の屋号は、遊郭当時からのもので、最上級を示す意味だそうです。この豪華な建物を見て分かるように、当時の飛田新地を代表する高級店舗であったことが覗えます。
ちなみに、鯛よし百番は完全予約制。当日飛び込みの入店はできず、予約者名が入り口に掲示されていました。
入店して早速、豪華絢爛な内装に驚きました。エントランスから見て左手にあったのは、恐らく遊郭時代から待合室として使われていたであろう部屋。遊郭に来た客は、ここで腰掛けて自分の順番を待っていたのだと想像されます。
内装は、入り口から豪華で、日光東照宮の門を再現したものだそうです。部屋の中にも天女の絵が描かれていたり、欄間がやたらと金ピカだったりと、普通の飲食店ではありえない力の入れようです。まあ、これから女遊びをしようとしている男性の気分を上げるために、この部屋の雰囲気は大事だったのでしょう。
予約時の名前を伝えると、2階に案内されました。階段の手すりは、橋の欄干を模したデザインになっていて、「三條小橋」と書かれていることから、京都の三条小橋をモデルにしていると思われます。こういうところも芸が細かいです。
個室が並ぶ廊下もなかなか趣があります。画一的なデザインではなく、一部屋ずつあしらいが違うんですね。基本的に、どの個室も軒(のき)が出ていて、手が込んでいます。
中には船の形をした不思議なデザインの部屋もありました。今でいうラブホテルのコンセプトルームみたいなノリだったんでしょうか。
建物の中央部は中庭になっていて、ライトアップされていました。中庭には橋が架かっていたり、岩山や樹木が2階に届く高さまで伸びていたりと、こちらも客を楽しませることに余念がありません。
通された個室は、一見古びた和室だったのですが、天井や床の間の装飾に目を奪われます。天井には、一面に天井絵が広がっていました。
すでに破けてしまっているのが惜しいですが、床の間の棚にも、細密な襖絵が描かれていました。柱や梁にもいちいち洒落た装飾が施されているのが憎いですね。
今回頼んだのはすき焼き。脂の乗った国産和牛で美味しかったです。料理そのものは、高級料亭というよりはカジュアルに楽しむ感じですし、価格もリーズナブルなので、若者も気軽に来れるのではと思います。
配膳してくれる店員さんが全員外国人なのは何か不思議な感じがしましたが、サービス面で特に不満は無く、料理も美味しかったので満足でした。
まだまだ鯛よし百番の一部しか味わっていないので、今度は別の部屋で、別のメニューを食べにまた来てみたいですね。
- 投稿日時
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2017年05月04日
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