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ThinkPad 8 レビュー (その2)
ThinkPad 8 レビュー (その2)
前回、ThinkPad 8について書きましたが、今回はソフトウェアの観点で使用感を書きます。ThinkPad 8のレビューというよりも、Windows8のレビューになると思いますが。
まず、入力ですが、Windows8は、基本指だけで操作できると思わない方がいいでしょう。
Windows8には、指での操作に特化したタイルUIが用意されていますが、対応アプリが少ないため、利用するシーンはほとんどありません。画像編集、コーディング、資料作成など、99%の作業はデスクトップ画面を使うことになります。MicrosoftのOfficeでさえ、デスクトップアプリケーションとして提供されています。
デスクトップ画面は、マウス操作を前提とした従来のUIであるため、指では押しにくいボタンがあったり、そもそも指でタップしても反応しない操作があります。例えば、ドラッグでテキストを選択しようと思っても、ほとんどの場面で指では反応しません。
これを解決するには、「TouchMousePointer」という有志の方が作られたフリーソフトがオススメです。画面上にトラックパッドを再現して、ノートPCのようなポインタ操作が可能になります。
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ソフトウェアキーボードも、期待しない方がいいです。一応、OSが用意するフルキーボードが利用できますが、ディスプレイを横にして使用していると、画面の半分がキーボードで占められ、使えたものではありません。
Windowsは、ショートカットキーで操作するのが一般的ですが、ほぼ使えないものと思った方がいいです。(たとえば、Explorerで、Ctrlキーを押しながら複数ファイル選択とかが、ほぼ不可能に近いです)
前回も述べたとおり、ThinkPad 8の一つのアドバンテージとして、その凄まじい高解像度ディスプレイがありますが、使ってみると、しばしばこれが仇となります。
ThinkPad 8のピクセル密度は、273dpi。MacBook ProのRetinaディスプレイモデルを上回るピクセルの細かさです。しかし、MacOSのように、ピクセルのスケーリング設定がOSレベルで実装されていないため、メニューやアイコン、テキスト等のデフォルトサイズを大きくして、擬似的に高密度ディスプレイに「耐えている」のが現状です。
Windowsシステムに準拠して作られたアプリケーションであれば、OS側のデフォルトサイズが適用され、メニューなどが大きく表示されるのですが、一部の独自UIなアプリケーションは、ピクセル原寸表示になるため、極小表示になってしまいます。
Adobe製品がもろにこれに該当するため、ツールボタン類が視力検査のようです。指では操作不能でした。(ちなみに、拙作「ArtistX Labolt」は、独自UIですが、なぜか拡大対応できていました。よかった…)
ThinkPad 8には、HDMI端子があるため、家や会社では、外部モニタに繋げて使うこともできます。モニタに繋いでしまえば、ThinkPad 8はただのPC本体になるので問題は起こらない…と思いきや、いろいろクセがあるので注意が必要です。
たとえば、外部モニタに繋いでも、Adobe製品(私の場合、Photoshop CS4)のウィンドウがぐちゃっと縮小されたような表示のままになる問題に遭遇しました。外部モニタは標準的なdpiのため、「あれっ?」と思ったのですが、どうやらモニタごとにスケーリングが違うと、Photoshopが対応できないようです。
これを解決するには、「コントロールパネル」→「ディスプレイ」の設定で「全てのディスプレイで同じ拡大率を使用する」にチェックを入れて、拡大率を100%にする必要があります。(これに気付くのに1時間かかった…)
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ThinkPad 8は、間違いなく優秀なデバイスですし、現在発売されている8インチWindowsタブレットの中では、群を抜いてオススメできる機種の一つでしょう。
ただし、Windows8のOS自体が、タブレットOSとしては非常に出来が悪く、使っているとイライラが溜まっていきます。また、AndroidがWindows並に成熟してきた今、Windowsに求めるものは、PCとしての機能であり、タイルが並んだスタート画面ではないはずです。
今後のWindowsアップデートで、デスクトップ画面が少しでもタップ操作で使いやすくなればなあと期待しています。
- 投稿日時
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2014年06月08日
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