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東京大学柏キャンパスの一般公開に行ってみた
東京大学柏キャンパスの一般公開に行ってみた
東京大学柏キャンパスの一般公開に行ってきました。東京大学の柏キャンパスは、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅からシャトルバス(一般公開時のみ)でアクセスできます。一般公開は、受験生向けというよりは地元向けで、最新の研究成果を紹介し、理解を深めてもらうことを目的としているようです。
東京大学柏キャンパスには、大気海洋研究所や宇宙線研究所、生産技術研究所など、ふつうの大学ではあまり見られない興味深い研究施設が集まっています。いわゆる「頭の良い東大生」というイメージよりも、「なんか楽しそうなことをやっている研究施設」のイメージが強いかもしれません。
最初に入った建物は、「大気海洋研究所」。その名の通り、大気と海に関する研究を行っています。エントランスでは、捕れたての珍しい魚が並べられていて、魚屋さんみたいでした。
ちなみに、大気海洋研究所内で「お魚倶楽部 はま」という寿司屋が営業していたので入ってみました。店内は狭く、店外にテラス席も設置されていたものの、大行列。名簿に名前を書いて待っていたところ、約1時間待ちでした。
大気海洋研究所が中野にあった頃、大学の近くで営業していたらしく、研究所が柏に移転する際に誘われたんだそうです。
魚の専門家が集まる大学で寿司屋ができるというのは、ある意味で恵まれた環境なのかもしれません。自然と人づてで漁師と仲良くなれるそうで、市場では出回らない珍しい魚を送ってもらっているとか。
オープンキャンパス限定のメニューが4つあり、私は「はまスペシャル」を注文しました。海鮮丼とにぎりが5貫ついて870円とお得なセットです。ふつうのお寿司屋さんで食べるような本格的なにぎり寿司で、学食とは思えないクオリティーでした。
この他に、「12貫にぎり」990円、「地魚5貫にぎり」780円、「海鮮ちらし丼」870円がありました。
腹ごしらえをして次に向かったのは、「生産技術研究所 附属千葉実験所」。生産技術研究所といえば、自動車や鉄道の研究でも有名な日本を代表する研究機関です。
実は、この千葉実験所がオープンしたのは2017年4月。それまでは、千葉市稲毛区にありました。移転のタイミングで東京メトロから寄贈されたというのが、今年3月まで銀座線を走っていた営団01系車両。なんと、千葉実験所には、専用の実験線があり、この車両を実際に走らせて実験を行っているそうです。
銀座線車両の中も公開されていたので、入ってみました。ドアはテープで締め切られていましたが、地下鉄を走っていた頃と変わりのない状態でした。今後、どのような実験に使われるのでしょうか。
車体の下には整備用の窪みがあり、車両を下から見ることもできるようになっています。寄贈されたのは6号車1両のみのようで、ふだん見れない地下鉄車両の接合部分も興味深かったです。
千葉実験所の線路がこちら。標準軌(1435mm)の線路が333メートル敷設されています。実験用とはいえ、自由に使える標準軌の線路と銀座線車両とは、羨ましい限りです。
実験フィールドには、線路だけでなく、自動車教習所のような道路や信号設備も一通り整備されています。
ここで実験されているのは、今話題の自動運転バス。一般公開では、実際に自動運転バスに乗車することもできました。自動運転バスは、「レベル4」と呼ばれる、完全な無人運転の実用化を目指していて、すでに技術的には実現できているそうです。
生産技術研究所の実験施設は、陸上のものだけではありません。こちらは、「海洋工学水槽」といわれるもので、人工的に波・風を起こして、海の状態を再現できるプールです。ざっくりいうと、研究用の「波の出るプール」ですが、波だけじゃなく風も起こせるのがすごいところ。全長50メートル、幅10メートルあり、水深は5メートルもあるため、落ちると危ないです。
この水槽を利用している学生さん曰く、「できて間もない頃から、水槽が緑色に濁り始めたのが本当に謎だ」とのことでした。確かに、現在は、底が見えないくらいに水が濁っています。川の水でも入れたのでしょうか…。
最後に訪れたのは、東京大学情報基盤センターにあるスーパーコンピュータ。「Oakforest-PACS」と呼ばれるこのスパコンは、2016年~2017年には、理研の「京」を抜き、国内最高性能と認定され、世界でも6位~7位にランクインしました。
部屋全体がコンピュータという感じですが、国内最高というイメージからすると、意外とコンパクトな感じもします。さすがにファンの送風音がすごいのですが、スタッフがカバーを開けて中を見せてくれました。
「今も計算に使っているので、やさしくさわってね」とスタッフ。たぶん超貴重な「スパコンおさわり会」でした。
さて、いろいろ見て回りましたが、柏キャンパスの恵まれた環境は、社会人の立場から見ても本当に羨ましいと思いました。東京大学という名に恥じない、面白い実験施設と研究内容が集結した最高に楽しいイベントでした。
- 投稿日時
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2017年10月28日
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