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ユーリカ号に乗った(鹿島臨海工業地帯の遊覧船)
ユーリカ号に乗った(鹿島臨海工業地帯の遊覧船)
鹿島臨海工業地帯を一望できる神栖市の港公園に行ってきました。
最寄り駅の鹿島神宮駅へは、東京駅から直通の高速バスが出ていて、片道1時間半ほど。意外にも、都心からのアクセスは悪くありません。ただ、港公園は駅からかなりの距離があり、路線バスも皆無なので、タクシーを利用するほかありません。鹿島神宮駅から港公園までは、タクシーだと15分ほどでした。
タクシーの車内で、運転手さんから東日本大震災の話を聞くことができました。曰く、運転手さんの兄弟が鹿島の港湾に勤めていたそうで、3.11の時は、船溜まりの水が全部干上がったとのこと。津波が来ることを悟った関係者は、一斉に逃げたそうです。鹿島港近辺は、1~2メートル浸水し、しばらくは港湾機能が停止しました。海から離れた市街地にも津波が押し寄せ、水没した住宅も多かったようです。現在も、街を眺めると、壊れたままの民家が放置されている様子が見られます。幸いなことに、波の勢いが弱かったため、ほとんどの建物は流されずに済んだようです。
港公園に到着すると、なにやら不思議なにおい。炊きたてのご飯のような香りだったんですが、近隣に小麦や畜産飼料の巨大サイロが建ち並んでいるので、そのにおいだと思われます。
港公園には、高さ52メートルの展望塔があり、鹿島臨海工業地帯の工場群を一望できる人気スポットになっています。
展望塔は、下から見上げると異様な雰囲気を放つ特徴的な外観になっています。入場料は大人200円。展望階へは、直通のエレベータがあるほか、階段での上り下りも可能です。
下から見上げた感じでは分からなかったのですが、展望階は海に向けてひな壇状の吹きさらしとなっています。また、最上部は高く張り出していて、360度の展望が楽しめるようになっています。
向かいには新日鉄住金の鹿島製鉄所がありますが、高さも距離も十分なので、存分に製鉄所の撮影が楽しめます。
鹿島製鉄所の対岸には、鹿島石油の鹿島製油所があり、巨大な石油タンクが並ぶ様は圧巻です。
港公園を楽しんだところで、次はいよいよ遊覧船「ユーリカ号」です。ユーリカ号は、港湾を管理する鹿島埠頭が運営している遊覧船で、海上から鹿島の工場群を間近に見ることができます。乗り場は港公園に隣接する船着き場(中央船溜り)で、土日祝日の13:30に一日一便のみ運航されます。
船着き場のそばには待合所があり、売店が併設されています。ユーリカ号のチケットは、この売店で販売されます。
かつては食堂もあったそうですが、東日本大震災で水没後、食堂は復旧のめどが立っていません。売店では、パンやカップ麺など軽食の販売があるため、最低限の食事はとれるようになっています。
船着き場には、海上保安庁の巡視船など多数の船が停泊していました。また、釣りスポットになっているらしく、数組の家族が釣りを楽しんでいました。狙っていたのはハゼで、天ぷらにするとのことでした。
定期便のユーリカ号は予約ができず、当日券のみの販売となります。チケットの発売開始は、当日の12時半からです。ユーリカ号の定員は46名とのことですが、ゴールデンウィークや夏休みは大変混雑するそうで、発売開始前から行列ができ、即満席になることもあるらしいです。一方、通常の土日祝日に満席になることは稀だそうです。この日は祝日でしたが、乗船客は我々含めて8名ほどでした。
ユーリカ号は、定刻の13:30に出港し、約45分かけて鹿島港を反時計回りに周回します。
船内には録音されたアナウンスが流れ、要所要所で歴史や見どころを解説してくれます。晴れていれば、船尾の屋外デッキに出て撮影することもできます。
鹿島港は、もともと砂丘だった場所を掘り込んで造られた港で、岸壁の総延長は日本最大規模、世界的にみても、堀込式港湾として有数の規模を誇ります。
それぞれの岸壁には大型の貨物船が停泊していて、荷卸し作業中でした。大型船舶を下から見上げる形となり、なかなか迫力があります。
鹿島製鉄所は、海上からだといまいち全体が分かりませんが、オーストラリアから鉄鉱石を運んできたという貨物船が停泊していて、その大きさに驚かされました。
製鉄所を囲むようにガントリークレーンが設置されていて、一部はまさに稼働中でした。稼働中のクレーンを下から仰ぎ見るというのは、遊覧船ならではの体験です。
一周45分は、あっという間で、鹿島港の様々な風景を見ることができました。
展望塔とユーリカ号を合わせて利用すると、工業地帯の遠景と近景両方が楽しめるのでおすすめです。
- 投稿日時
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2015年10月12日
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