礼文島 旅行・観光ガイド ブログ
礼文島への行き方・稚内港でのフェリーの乗船方法
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礼文島について
礼文島は、北海道の北部に位置する島です。北方領土を除くと、人が居住する離島としては、最北端となります。礼文島の北端に立つと、ロシア領土を眺めることができます。レブンという名前はアイヌ語で「沖の島」を意味する「レブンシリ」に由来すると言われています。
礼文島は、その冷涼な気候から、低地でも高山植物が育つため、ハイカーに人気の島になっています。最北の島でありながらも、そうした観光需要に支えられ、他の離島に比べ、比較的交通機関が充実しているのが特徴です。
礼文島へのアクセス
東京から礼文島へのアクセスは大きく分けて二通りあります。一つは、羽田から全日空で稚内空港へ飛び、稚内港からフェリーを利用する方法。もう一つは、羽田から新千歳空港へ飛び、全日空の利尻空港行きに乗り継ぎ、利尻島からフェリーを利用する方法。いずれの方法も、フェリーの時間の関係で一日では到着できないため、前者の方法だと稚内で、後者の方法だと利尻島で一泊が必要です。
なお、かつて礼文空港が営業していた頃は、稚内空港から礼文島への便もあったそうです。
今回は、羽田空港から稚内を経由する方法で礼文島へ向かいました。羽田を13:15に出発する全日空便に乗り、約2時間後の15:05に稚内空港に到着。稚内発の礼文島行きフェリーは14時台が最終便のため、稚内で一泊することにしました。
稚内港から礼文島の香深港までは、ハートランドフェリーが運行するフェリーを利用して、3時間弱(途中、利尻島を経由)。便数は時期により異なりますが、9月は1日4便の運行があり、始発から2便目となる7:15発の便を利用しました。
稚内からフェリーに乗る
- ロシア語も併記された稚内の道路標識。
フェリー乗り場は、稚内駅から徒歩15分ほどの距離。駅からは、これといった公共交通手段が無いため、タクシーか徒歩でしかアクセスできません。
- ロシアのサハリン(樺太)を結ぶ「アインス宗谷」が停泊していた。
ちなみに、ハートランドフェリーは、サハリン(樺太)行きの国際航路も運行していて、同じくこの稚内港から乗船できます。利尻・礼文島行きのフェリーと同じターミナルからロシアに行けるのは、なんか不思議な感覚です。(※ハートランドフェリーのサハリン航路は、2015年9月をもって廃止となり、以降は、ロシアのサハリン船舶会社によって運行が継承されています。)
- フェリー乗り場へは、稚内駅から徒歩15分ほどでアクセスできる。
現在のフェリーターミナルは2008年に完成したらしく、館内は明るく清潔感があり好印象でした。1階には、食料品やお土産を購入できるコンビニのような売店が入居していて利便性が高いです。
- 乗船券は、乗船券売り場の窓口で購入できる。
利尻・礼文航路は、インターネット予約にも対応しており、2ヶ月前から座席の予約が可能です。ただし、予約できるのは、特別室と1等席のみ。2等席は指定席ではないため、当日券しかありません。
観光シーズンには団体客が乗船するため、2等席が埋まることもあるらしく、今回は念の為、1等ラウンジ席を予約しました。2等席に比べると、運賃は倍額くらいになりますが、3時間弱の船旅と考えれば、思ったほど高額な料金でもありません。
2等席の場合は、ターミナル1階に設置されている自動券売機でチケットを購入します。指定券ではないため、座る場所を確保できるかは、乗船してみないと分かりません。
- 2等席であれば、自動券売機でも購入可能。
- 始発便に合わせて、軽食店も営業していた。
フェリーターミナル内には、食事ができる店もあり、早朝から営業していました。そば、うどん、ラーメン、カレーライスといった軽食が食べられます。
ターミナル内には、この手の施設ではお馴染み「島民休憩室」と書かれた専用スペースがありました。やはり観光シーズンの混雑を考慮して、島民のスペースを分けているのでしょうか。
- 出港20分前くらいから行列ができ始めた。
出港時刻の20分前くらいから、ゲート前には行列ができ始めていました。私は、1等席で指定券があるため、近くのベンチでのんびり。こういうところも含め、指定券だと楽ですね。
乗船したのは、サイプリア宗谷。就航は、現在のフェリーターミナルの竣工と同時期の2008年5月で、全長95.70m、総トン数3,555トンのフェリーです。利尻・礼文航路では、初めてフィンスタビライザーが搭載されたフェリーで、荒波でも揺れが抑えられるようになっています。
- 出港準備中の「サイプリア宗谷」。
- ようやく乗船が始まった。
いよいよ乗船手続きが始まりました。7:15発の便は、利尻島を経由するため、礼文島行きと利尻島行きの2方面の乗客が一気に乗船します。
稚内港では、飛行機のようなボーディングブリッジを渡って乗船します。なんだかワクワクしますね。
- ボーディングブリッジを渡って乗船する。
ハートランドフェリー(サイプリア宗谷)の船内
サイプリア宗谷の船内は、思っていた以上にキレイで広々。過疎化が進む離島航路というよりも、観光路線というイメージです。これなら、家族連れの旅行客も安心ですね。
- 特急電車のような2等イス席(自由席)。
サイプリア宗谷の2等席には、電車のようなイス席と、カーペット敷きの客室があり、どちらも自由に利用可能です。カーペット敷きの方は、船首部分にあり、進行方向を眺めることができます。
- 船首部分に位置する2等客室は子連れに人気。
- 天気が良ければ、甲板ベンチ席も良さそう。
甲板ベンチ席も利用できますが、この日はあいにくの雨模様で、外に出ている人は少なめでした。
- お菓子の品揃えが良い船内の売店。
船内売店では、お菓子やおつまみ、パンなどのほか、地元「稚内牛乳」のアイスクリーム(280円)も扱っていました。
ちなみに、自動販売機は、150mlペットボトルが180円と、やや高めの設定でした。お茶などは、事前に買って持ち込むのが良いでしょう。
- 1等ラウンジ席は2階にある。
さて、私が予約した1等ラウンジ席は、2等席があるBデッキの上階にあり、専用の階段を上る必要があります。大した金額差は無いのですが、この特別感は嬉しいですね。
- 階段を上った先にあるのが、1等席があるAデッキ。
階段を上ると、そこはまるでホテルのロビーのような空間。1階とは隔絶された1等室専用のトイレもあり、落ち着いた時間を過ごすことができます。
1等ラウンジ席は、豪華な内装が目を引く洒落た空間。まるで結婚式場のようです。2等イス席に比べて座席もしっかりした作りで、こんな自分が座っていいんだろうかと申し訳なくなるレベル。片道運賃に2千円上乗せしただけでこの待遇ですから、コスパ高いと思います。
礼文島に到着後は、丸一日かけてあちこち回る予定だったので、朝食を食べて2時間ほど仮眠をとりました。
礼文島(香深港)に到着
フェリーは、ほぼ定刻通りに利尻島の鴛泊港を出港し、礼文島の香深港には、5分程度の遅れで接岸しました。
航海は非常に快適で、十分な仮眠を取ることができました。
やや残念だったのは天候。この日は、桃岩展望台へ向かう予定でしたが、雨が降ったり止んだりの不安定な天気だったため、不安が残る旅の始まりとなりました。
出港時、ひときわ目を引く見送りをしている団体がいました。これは、桃岩荘で恒例となっているもので、退所者がいる日には、毎日この見送りをしているそうです。
- 探索日
- 2015/09/20 - 22
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