三宅島 旅行・観光ガイド ブログ
三宅島への行き方・調布飛行場~三宅島空港
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三宅島について
三宅島は、東京都心から、南へ約180kmの位置にあります。島は、雄山を中心として、ほぼ円形になっています。直径約8km、周囲約38kmで、面積はおよそ55平方kmです。
三宅島といえば、2000年の噴火で全島避難が実施されたことで、全国から注目を集めました。今ではすっかり復興し、平穏な生活が戻っています。一方で、雄山では、2014年現在も火山活動が続いていて、今も火山ガスの影響で立ち入りが制限されているエリアがあります。また、噴火の爪痕を後世に残す取り組みが行われていて、島内各地で生々しい痕跡を見ることができます。
御蔵島が近く、三宅島・御蔵島の二島が、東京都三宅支庁の管轄となっています。かつては、御蔵島への連絡船「えびね丸」が運航されていて、御蔵島へ行く際は、三宅島でえびね丸に乗り換える必要がありました。このため、三宅島は、御蔵島へ渡る島民・観光客の拠点になっていましたが、三宅島の全島避難後は、御蔵島にも大型客船が寄港するようになったため、現在は御蔵島との関係は薄れつつあります。
三宅島への行き方
東京都心から三宅島への主たる交通手段は、竹芝桟橋からの客船です。高速船は出ていないため、竹芝から6時間半の長旅となります。
空路もあり、かつては羽田空港から全日空が1日1往復運航されていました。しかし、運航機材(DHC8-Q300型機)が退役となり、滑走路が1,200メートルしかない三宅島空港に着陸できる機材がほかに無いことから、2014年3月に全日空路線は撤退となりました。代わりに、2014年4月2日から運航が始まったのが、新中央航空の調布~三宅島路線です。
実は、全日空から新中央航空に替わったことで、就航率が大幅に伸びています。三宅島は、依然として火山活動が活発で、火山ガスの影響を受けやすいことから、全日空時代は、就航率が4割ほどでした。ところが、新中央航空になったことで、就航率が9割に上昇しています。要因としては、機材が小型化したこともありますが、全日空は労組が強く、就航基準が厳しすぎた点を挙げる人も居ます。
なお、運航機材が、DHC8-Q300からドルニエ228へ替わり、座席数が56席から19席へ減ってしまうため、新中央航空では、1日3往復に増やして運航することになりました。これにより、欠航便が出ても、次の便に振り替えられるため、利便性は高まったのではないかと思います。
今回私は、就航して間もない調布~三宅島航路を利用してみることにしました。
調布飛行場(調布空港)へ向かう
調布飛行場へ行くには、京王線の調布駅で下車し、調布駅北口停留所より路線バスを利用します。大人数で行く場合は、タクシーを利用しても良いでしょう。
- 調布駅から路線バスに乗車。
2014年7月より、調布駅北口~調布飛行場間のバス(調40系統)が大幅に増便されましたが、私が利用した当時は、朝と夕方に一本ずつと、非常に本数が少なかったため、「大沢コミュニティセンター」というバス停を利用するのが一般的でした。
- 大沢コミュニティセンターで下車。
「大沢コミュニティセンター」停留所は、調布飛行場方面へ曲がる交差点に位置しています。調布飛行場までは、徒歩で10分ほどの距離になります。
並木道を抜けると、広い滑走路が見えてきます。道なりに歩いていくと、ようやくターミナルビルが姿を現します。
調布飛行場(調布空港)
- 調布飛行場に到着。
調布飛行場のターミナルビルは、2013年4月にリニューアルオープンしました。それまでは、工事現場のプレハブ小屋のような建物でした。当時と比べると、見違えるほどきれいになり、別の場所に来たような感覚です。
待合スペースは吹き抜けになっていて、明るくて開放感があります。2階の手すりには、三宅島航路の就航を祝う横断幕が掲げられていました。
- 開放的な吹き抜けのロビー。
2階は展望ラウンジになっていて、駐機場や滑走路を眺めることができます。昔はフェンス越しに見ることしかできなかったので、大きな改善ですね。
- 2階には展望ラウンジがある。
新中央航空の搭乗手続き
時間に余裕があるうちに、搭乗受付を済ませてしまいましょう。チェックインの手順は従来通りで、電話予約時の名前を伝え、荷物を計量してお金を払います。荷物はその場で預けることになるので、事前に機内持ち込み分と分けておく必要があります。
この日の三宅島行き405便(11:10発)の乗客は、私を含めて4人。ゴールデンウィークだというのに、意外と空いています。まだ就航して間もない時期なので、利用客が定着していないのでしょうか。
乗客が4人しかいないため、保安検査はあっという間に終了。無駄に広い待合室で駐機場を眺めて待機します。
- 自分を含めて、乗客は4人。
すると、5分も経たないうちに飛行場の職員が現れて、「20分早いですが、みなさんお揃いなので、出発します。」と、20分前倒しで出発することに。少人数の飛行機は、こういうところが柔軟で素晴らしいです。
ちなみに、調布飛行場からは、大島・新島・神津島・三宅島の4島へ定期便が運航されていて、各島とも1日3~4往復あるため、結構ひっきりなしに飛行機が出入りしています。
搭乗する際は、搭乗する機体まで自分の足で歩いていくため、整備中の機体を横目に見つつ、駐機場を徒歩で横切っていくことになります。なかなか新鮮な体験です。私は今回で3回目の利用となりますが、毎回搭乗時は気分が高揚します。
例によって、機体の前で名前が呼ばれるまで待ちます。その場で座席が指定されるため、直前まで座る場所は分かりません。今回は、乗客が4人しかいないため、4人とも離れた配置となりました。体重バランスを取るためでしょうか。
三宅島へ向かう
調布飛行場を離陸してから、三宅島空港に着陸するまで、およそ40分弱。三浦半島を過ぎると、何もない太平洋上を飛ぶことになります(大島や新島を遠目に望むことはできます)。
上空から見る三宅島は、円形の平たい島。中央にえぐれたような大穴が開いているのが特徴的です。
三宅島空港は、島の東側に位置しています。まとまった平地が少ない中で、目一杯の土地を使って滑走路を延ばしているように見えます。
三宅島空港に着陸
飛行機は、三宅島に無事着陸。時刻は11:35、予定より20分以上も早い到着です。三宅島は良い天気で、火山ガスの濃度も低そうです。
三宅島空港の滑走路は、1,200メートルあります。ジェット機が発着する八丈島・大島に比べると短いですが、新中央航空のみが運航している新島・神津島は800メートルしか無いことを考えると、ドルニエ機にとっては、かなり余裕を持った長さになっています。
飛行機を降りると、まずはターミナルビルへ案内されます。ターミナルビル内に売店は無く、トイレと自販機があるだけの簡素な建物です。預けていた荷物を受け取ったら、早速周囲を散策しに出掛けます。
- 到着後、ターミナルビルに案内される。
実はこの後、空港前のバス停から村営バスに乗り継ぐ予定だったのですが、到着が早まったため、だいぶ時間に余裕がありました。
現在の空港ターミナルビルは2006年に建て替えられたもので、旧ターミナルビルは、もう少し北寄りに建っていたそうです。というのも、三宅島空港は、敷地の北半分が「三池・沖ヶ平地区」に含まれていて、2000年の噴火以降、火山ガスの高濃度地区に指定されたため、長らく空港が閉鎖されていました。当時のターミナルビルは、ギリギリ高濃度地区に位置していたため、まずはこれを南寄りに移転することが、営業再開の条件とされたのです。
- 三宅島空港のターミナルビル。
かなり錆び付いた「東京都三宅島空港」の看板を見つけました。ここは火山ガスと海風両方の影響を受けるため、金属が腐食しやすくなっています。立っている場所から推測すると、ターミナルビル建て替え前のものだと考えられます。
旧ターミナルビルの場所は、現在、駐車場となっている敷地ではないかと推測されます。正確な場所は分からないものの、Googleマップの航空写真が建て替え前のものになっており、この駐車場がある場所に、いくつか建物が建っていたことが確認できます。今はすっかり取り壊されています。
- かつてターミナルビルがあった場所は駐車場になっていた。
なお、空港の周辺は、かなり街外れのようで、民家や店はほとんどありません。唯一「彦七」という飲食店があるくらいでした。時間的に、あまり遠くへも行けないので、空港の周りをうろうろして時間を潰していました。
「空港前」のバス停で待っていると、村営バスが、ほぼ時間通りに到着。まずは、このバスに乗って阿古地区に向かいます。
- 探索日
- 2014/04/30 - 05/03
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