国東半島 旅行・観光ガイド ブログ
国東半島への行き方 徳山港・スオーナダフェリー ニューくにさき
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国東半島とは
国東半島は、大分県北東部に位置し、瀬戸内海や周防灘に突き出した半島です。半島の中央部には両子山(721メートル)があり、半島全体が円形に近い形になっています。
海岸近くには平地もありますが、基本的には山地であり、放射状に延びる谷間に集落が形成されています。火山によってできた地形のため、半島の中心に近付くほど標高が高く、険しくなります。
奈良時代から平安時代にかけて、仏教に神道の山岳信仰を取り入れた「六郷満山」と呼ばれる文化が形成されました。この影響で、半島内に多数の寺院が造られ、現在に至っています。
元々、山岳信仰が根付いていた地域であり、あえて険しい山間部に寺院や仏像などが造られています。
国東半島へのアクセス
陸・海・空の各方面からアクセスでき、意外にも交通の便は良いです。
半島の先端には、大分空港が立地し、東京・名古屋・大阪の各大都市圏から直通でアクセス可能です。
海路は、山口県の徳山港から半島の北端に位置する竹田津港まで、フェリーが一日5便就航。さらに、同航路を経由する「別府ゆけむり号」という高速バス路線もあり、広島市内から直通でアクセスできます。
半島内に鉄道駅が無いため、陸路でのアクセスは不便ですが、JR日豊本線の杵築駅から路線バスを利用することになります。
ただ、公共交通機関を使って訪れると、半島内での移動手段が無くなるため、あらかじめレンタカー等の利用を検討しておくといいでしょう。
徳山港フェリー乗り場
- 徳山港のフェリー乗り場。
私は今回、正月休みを利用した家族旅行で、国東半島を訪れました。
帰省先の広島から、マイカーを使って山口県の徳山へ。徳山港から、スオーナダフェリーで国東半島へ向かいます。
大分県というと、福岡の向こう側というイメージで、本州からだと遠い印象があります。しかし、国東半島は、瀬戸内海に突き出した地形となっていて、徳山港からフェリーでわずか2時間の距離にあるのです。
11時頃に徳山港に到着。12時発の船まで、まだ余裕があります。
乗船待ちの列に車を停め、ターミナルビルの1階にある窓口でチケットを購入します。乗船予約をしていませんでしたが、特に混雑した様子は無く、スムーズに手続きできました。
- 切符は窓口で購入する。
時間に余裕があったため、ターミナル周辺の風景を眺めていました。
周囲は一帯が工場となっていて、徳山港は工業地帯のど真ん中にある港という感じです。戦時中は、日本軍の燃料基地として重要な拠点であったことから、石油化学工業が盛んなのだそうです。
また、太平洋戦争末期には、近くの大津島に「回天」と呼ばれる人間魚雷の発進基地が造られました。現在は記念館が設置されていて、徳山港から大津島へは旅客船が運航されています。
「ニューくにさき」に乗船
11:45頃に、竹田津港から来た「ニューくにさき」が入港。船の前方が開く構造となっていて、自動車はそこから乗船します。接岸前からゆっくりと口を開いていく様子は、生き物のようで、なんだか格好良かったです。
11:50頃から乗船が始まりました。一般旅客は、船体の側面に架けられたタラップを伝って乗船します。構造上、船の最上部から乗船する仕組みとなっていますが、タラップがちゃちな造りのため、ちょっと心許ない感じ。落差があって結構怖いです。
- 乗船が始まる。
船は10分ほど遅れて出港。国東半島へ向かいます。
船から眺める徳山の風景は圧巻です。大きな煙突がいくつも立ち並んでいて、排煙がもくもくと上がっていました。これだけの規模だと、夜景も綺麗でしょうね。(あとで調べてみたら、夜景ツアーが行われているようでした)
「ニューくにさき」の船内
ざっと見たところ、乗船客は40人くらい。別府温泉方面の高速バスも乗船していたのですが、バスの乗客も含まれていたと考えると、ちょっと人数は少なめでしょうか。
正月休みということで、子連れの帰省客が多かったように思います。
- 客室後方のゲームコーナー。遊技場のような空間。
船室はちょっと変わった構造で、船室後方が「ゲームコーナー」となっています。ゲームコーナーには、スロットマシンが3台設置されているほか、円形のテーブルが4つあります。スロットマシンで遊んでいる人は誰もいませんでした。
- スロットマシンが3台設置されている。
ゲームコーナーを抜けると、マス席の船室に入ります。子どもに人気らしく、若い子連れの親子がこぞって利用していました。6区画ありますが、一区画一家族といった感じで利用されていて、ちょっと入りづらかったです。
- 床に寝転べるマス席。
船室の先頭部は座席になっています。若干テーブル席もあり、食事をするなら、こちらが便利です。テーブル席は2箇所しかなく、利用する場合は、乗船後すぐに場所取りをする必要があります。
- 客室先頭の座席。
船体の一階部全体が車両甲板となっています。大型バスやタンクローリーも乗船していて、それなりに積載容量は大きいです。この便の積載台数には、まだ余裕がありました。
「ニューくにさき」の甲板
甲板にも出てみましたが、1月ということで風が冷たく、あまり長居できる感じではありませんでした。
- 特徴的な形状の艦橋。
船体から飛び出したような形状の艦橋は、ニューくにさきの特徴の一つ。残念ながら、構造上、操舵室の様子を窺うことはできません。
この日の天気はまずまずで、青空が見えていた時間帯もありましたが、国東半島に近付くにつれ、徐々に雲行きが怪しくなっていきました。
それでも、ここは陸地に囲まれた瀬戸内海。そんなに海が荒れることは無く、船が揺れる心配は無いだろう、と思っていました。
しかし、出港から1時間後、船は時化に襲われます。甲板をうろうろしていたところに、雨粒や波しぶきが吹き込んできました。さほど大きな揺れではなかったものの、船体が左右に傾きます。
- 探索日
- 2013/01/02 - 04
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