鹿島臨海工業地帯 旅行・観光ガイド ブログ

神栖市へのアクセス・鹿島港の遊覧船・港公園展望台

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鹿島臨海工業地帯について

鹿島臨海工業地帯は、鹿島港を中心に形成された茨城県最大の工場集積地です。鹿島港は、堀込式の港湾として日本最大規模の岸壁延長を誇り、防波堤の長さはおよそ4km、Y字に掘り込まれた岸壁の総延長は17kmにも達します。

鹿島臨海工業地帯の見所はいくつもありますが、今回は、工場群と風力発電所の2つに絞って、魅力を探っていきます。

鹿島臨海工業地帯のアクセス

鹿島臨海工業地帯は、茨城県鹿嶋市と神栖市に跨っています。鹿嶋市には、新日鐵系の製鉄所が建ち並んでいるのに対し、神栖市には、石油化学系の工場や発電所が立地していますが、今回は、神栖市を中心に散策することにしました。

鹿島港 遠景
鹿島港の方向を眺める。

東京から神栖市へ向かう場合、東京駅八重洲口から出ている高速バス「かしま号」を利用するのが便利です。「かしま号」は、日中10~20分おきに出ており、最速1時間半で神栖の中心市街地へアクセスできます。高速バスとは思えない利便性の高さに驚きました。

下車するバス停は、「鹿島セントラルホテル」が便利です。工業地帯から近く、それなりに繁華街であるため、食事などにも困りません。

神栖市の港公園

まず向かったのは、神栖市が運営する「港公園」です。この公園は、Y字に堀込まれた航路のちょうど中心にあたる位置で、鹿島臨海工業地帯を一望できます。

神栖市 港公園
鹿島港の中心にある港公園。

港公園へ向かうバス路線は無いため、タクシーを利用することになります。

タクシーの車内で、運転手さんから東日本大震災の話を聞くことができました。曰く、運転手さんの兄弟が鹿島の港湾に勤めていたそうで、3.11の時は、船溜まりの水が全部干上がったとのこと。津波が来ることを悟った関係者は、一斉に逃げたそうです。鹿島港近辺は、1~2メートル浸水し、しばらくは港湾機能が停止しました。海から離れた市街地にも津波が押し寄せ、水没した住宅も多かったようです。現在も、街を眺めると、壊れたままの民家が放置されている様子が見られます。幸いなことに、波の勢いが弱かったため、ほとんどの建物は流されずに済んだようです。

港公園 展望塔
神栖市の港公園にある展望塔。

港公園に到着すると、なにやら不思議なにおい。炊きたてのご飯のような香りだったんですが、近隣に小麦や畜産飼料の巨大サイロが建ち並んでいるので、そのにおいと思われます。

港公園には、高さ52メートルの展望塔があり、鹿島臨海工業地帯の工場群を一望できる人気スポットになっています。

鹿島工業地帯 展望塔
不気味な外観が特徴的な展望塔。

展望塔は、下から見上げると異様な雰囲気を放つ特徴的な外観になっています。入場料は大人200円。展望階へは、直通のエレベータがあるほか、階段での上り下りも可能です。

鹿島臨海工業地帯 展望台
展望塔の屋上階からの風景。

下から見上げた感じでは分からなかったのですが、展望階は海に向けてひな壇状の吹きさらしとなっています。また、最上部は高く張り出していて、360度の展望が楽しめるようになっています。

新日鉄住金 鹿島製鉄所
新日鉄住金の鹿島製鉄所。

向かいには新日鉄住金の鹿島製鉄所がありますが、高さも距離も十分なので、存分に製鉄所の撮影が楽しめます。

鹿島石油 鹿島製油所
鹿島石油の鹿島製油所。

鹿島製鉄所の対岸には、鹿島石油の鹿島製油所があり、巨大な石油タンクが並ぶ様は圧巻です。

鹿島港の遊覧船「ユーリカ号」

神栖市港公園 船着き場
港公園に隣接する中央船溜り。

港公園を楽しんだところで、次はいよいよ遊覧船「ユーリカ号」です。ユーリカ号は、港湾を管理する鹿島埠頭が運営している遊覧船で、海上から鹿島の工場群を間近に見ることができます。乗り場は港公園に隣接する船着き場(中央船溜り)で、土日祝日の13:30に一日一便のみ運航されます。

神栖市 鹿島港 待合室
遊覧船の待合室。

船着き場のそばには待合所があり、売店が併設されています。ユーリカ号のチケットは、この売店で販売されます。

ユーリカ号 待合所
イスとテーブルが並ぶだけの簡素な待合室。

かつては食堂もあったそうですが、東日本大震災で水没後、食堂は復旧のめどが立っていません。売店では、パンやカップ麺など軽食の販売があるため、最低限の食事はとれるようになっています。

ユーリカ号 食堂
食堂が無いためか、カップ麺の品揃えが充実している。

船着き場には、海上保安庁の巡視船など多数の船が停泊していました。また、釣りスポットになっているらしく、数組の家族が釣りを楽しんでいました。狙っていたのはハゼで、天ぷらにするとのことでした。

ユーリカ号 神栖市
中央船溜りに入港するユーリカ号。

定期便のユーリカ号は予約ができず、当日券のみの販売となります。チケットの発売開始は、当日の12時半からです。ユーリカ号の定員は46名とのことですが、ゴールデンウィークや夏休みは大変混雑するそうで、発売開始前から行列ができ、即満席になることもあるらしいです。一方、通常の土日祝日に満席になることは稀だそうです。この日は祝日でしたが、乗船客は我々含めて8名ほどでした。

ユーリカ号は、定刻の13:30に出港し、約45分かけて鹿島港を反時計回りに周回します。

船内には録音されたアナウンスが流れ、要所要所で歴史や見どころを解説してくれます。晴れていれば、船尾の屋外デッキに出て撮影することもできます。

鹿島港 荷役クレーン
バケット式アンローダ。

鹿島港は、もともと砂丘だった場所を掘り込んで造られた港で、岸壁の総延長は日本最大規模、世界的にみても、堀込式港湾として有数の規模を誇ります。

それぞれの岸壁には大型の貨物船が停泊していて、荷卸し作業中でした。大型船舶を下から見上げる形となり、なかなか迫力があります。

NSS HONESTY
NSユナイテッド海運の鉄鉱石運搬船。

鹿島製鉄所は、海上からだといまいち全体が分かりませんが、オーストラリアから鉄鉱石を運んできたという貨物船が停泊していて、その大きさに驚かされました。

連続式アンローダ
鉄鉱石の連続式アンローダ。

製鉄所を囲むようにガントリークレーンが設置されていて、一部はまさに稼働中でした。稼働中のクレーンを下から仰ぎ見るというのは、遊覧船ならではの体験です。

ガントリークレーン 鹿島 神栖市
ガントリークレーンを仰ぎ見る。

一周45分は、あっという間で、鹿島港の様々な風景を見ることができました。

展望塔とユーリカ号を合わせて利用すると、工業地帯の遠景と近景両方が楽しめるのでおすすめです。

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探索日
2015/10/12

このレポートには、さば柄氏 ・ nokinoshi氏 からご提供いただいた写真が含まれています。

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