作品で振り返る10年
ボードゲーム+人工知能
- ありの木
- BestGames、アクションゲームと見てきて、おおよそ網羅した感じだけど、忘れちゃいけないジャンルがある。
- Hideshoe
- そういえば、「ガッチャン~」とかまだ見てない。
- ありの木
- あと、「Ayaru」もね。公開後すぐありの木移行で配布やめちゃったし、「失敗作」と判断して、表向き「無かったもの」として扱ってたので、お蔵入りに近い。
- Hideshoe
- ボードゲームって本当に難しいと思う。
- ありの木
- アクションゲームみたいに、何となく感覚で作れないところがあるよね。表面を着飾っても無駄だったり。
- Hideshoe
- リバーシみたいに、既存のゲームであれば、もっと優秀なAI(人工知能)が出回っているし、逆に「Ayaru」みたいに、ルールを一から考えると、そもそもそれって面白いのか、とか、どうやったら勝てるのか、ってことを自問自答していかなきゃいけない。
- ありの木
- 個人的には、「ボードゲームに手を出すくらい成長した」っていう思いがある。笑
ボードゲーム作るってことは、人工知能にも手を出さなきゃいけないわけだし。格段にレベルが上がるよね。 - Hideshoe
- 確かに、ガチでプログラム組まなきゃいけないもんな。自分としては、こっちの方が性に合ってると思う。
ガッチャンのリバーシ
- タイトル画面。様々な対戦が楽しめる。
- Hideshoe
- この絵ガッチャンに似てるなあ。(「ガッチャン」とは、中学時代のクラスメート)
- ありの木
- 別に彼を意識したわけじゃないんだけど、AIの性格も似てたりする。
- Hideshoe
- ガッチャン本人がガッチャンAIに負けたんだよね。
- ありの木
- ガッチャン自身、特にリバーシ強いわけでもないし。単に「ガッチャンの~」がやりたかっただけ。笑
- ガッチャンのレベルは、3段階用意されている。
- ありの木
- 確か、2と3は大して変化が無かった気がする。
- Hideshoe
- レベル1って?
- ありの木
- 多分だけど、レベル1は完全ランダム。で、2以降は、多く取れるところに置く。
- Hideshoe
- ランダムって、もはやAIではないな。
- ありの木
- 記憶が正しければ、レベル3は、レベル2に四隅優先機能が付いたもの。
- Hideshoe
- そこだけAIっぽい。
- ありの木
- 全体に言えることだけど、左上から1マスずつ調べてて、その都度乱数分岐を掛けてるので、実は、左上に近いほど置く確率が高くて、右下ほど低い。
- Hideshoe
- そうなのか。
- 人によっては、「強い」との評価もある。
- Hideshoe
- いや、けっこう強いよ、ガッチャン。
- ありの木
- 先読みは一切してないから、その場その場で一番多く取れるマスに置く。丸ごと取り返される場所でも気にしない。
- Hideshoe
- ガッチャンほんと無策だ。AIが欲の趣くままってのも、人間味があっていいかも。
- ありの木
- この作品の場合、「とりあえず形にした」っていうのが、すごく大きな意味を持つと思う。当時の作品の中で、ボードゲームって最もロジカルで難易度が高かった。
- Hideshoe
- 確かに、中学生が趣味で作ったAIだし「ちゃんと動いて」「ちゃんと遊べる」っていうのが合格ラインかな。
- ありの木
- まあロジック的には問題あるけど笑、手作りAIで普通に遊べるレベルに仕上げた意味は大きい。
本作品は、「LemonGames」に含まれています。下記よりダウンロードできます。
本ソフトウェアには、説明書が付属しておりません。あらかじめご了承ください。
本ソフトウェアの無断転載・再配布は禁止とさせていただきます。ご不明な点がありましたら、事前にお問い合わせください。
Ayaru
- タイトル画面。2つのゲームモードとリプレイ機能がある。
- ありの木
- 伝説の失敗作。時期的には、高校生くらい。
- Hideshoe
- 配布期間かなり短かったんじゃない?
- ありの木
- 君には本当にいろいろ手伝ってもらったのに、こんな結果になって申し訳ない。
- Hideshoe
- プログラムとしては、すごく完成度が高いと思う。ただ、プログラムの完成度とゲームとしての面白さは、イコールではないし、比例もしない。
- ありの木
- 痛いほど学んだね、この作品で。
元ネタの「Hometown」は面白かったんだよな。で、「ぜひプログラム化して、AI対戦を実現したい」って話を持ちかけた。
HSP製ゲームとしては、最後の大型案件だったわけだ。
- Hometown
- 中学時代、美術の授業で制作した2~4人用のボードゲーム。ルールを一から考案し、実際に遊べるように、盤や駒を制作した。「Ayaru」では、その全てが忠実に再現されている。
- ありの木
- とりあえず、起動してみる?
- Hideshoe
- うわ、重い!
- ありの木
- 背景がスゴく凝ってるんだけど、正直、このゲームにこの世界観は要らない。笑
- Hideshoe
- 背景無くせば、軽くなるんじゃない?
- ありの木
- うん、それはもう。動画再生しながらゲームしてるようなものだから。
- Hideshoe
- 半透明処理が特に重そうだね。
- 初めての人でも遊べるように、チュートリアルが用意されている。
- ありの木
- じゃあまずは、「チュートリアル」から。
元々このソフトには、対戦の模様をファイルに記録して再生する機能があって、チュートリアルもその機能を利用している。 - Hideshoe
- 一緒に入ってる「tutorial.rep」が、再生用のデータだね。
- ありの木
- 作った本人が言うのもあれだけど、高校生にしては良くできてる。
- Hideshoe
- 2004年って書いてあったから、2年生の頃かな。
確かに、必要な要素が過不足なく盛り込まれていて、しかも安定して動作しているのはすごい。 - ありの木
- デザイン上の問題はもちろんある。初めて遊ぶ人には、ちょっと分かりづらい表示もあるけど、それは後でどうにかなる問題。ベースの完成度は高い。
- 「挑む」では、一人で楽しめる5つのステージをプレイできる。
- ありの木
- これ、まともにやると、1時間とか掛かっちゃうので、今日は見るだけにするけど、久々に見たら、ちょっと遊んでみたくなった。
- Hideshoe
- 「挑む」が面白そうだ。
- ありの木
- これステージ名は君がネーミングしたのかな。センスが良い。
- Hideshoe
- どうだったかな…、でも趣向的にそうかもしれない。
- ありの木
- 「包囲網」とか。設定がひどいな。笑
- 参加プレイヤーの数や設定を変えて、自由に練習できる。
- ありの木
- 「鍛える」を見てみようか。
- Hideshoe
- 2P対戦とかもできるのかな。
- ありの木
- AI同士の対戦もできるみたいだよ。やらせてみようか。
- Hideshoe
- 人工知能の強さを色ごとに変えて、結果を見てみよう。
- ありの木
- おっ、レベル4は、早々と1つ目をゴールさせた。
- Hideshoe
- レベル2が意外な健闘。笑
- ありの木
- あ、終了条件を3にしたから、余った駒を妨害要員にしているのか。
- Hideshoe
- AI賢いなあ。そんなプログラム組んでない気がするけど。笑
- ありの木
- 順位は、レベル2、3、4、1でした。レベル1が弱いのは分かったけど、それ以外は拮抗していた。
- 人工知能同士の対決。意外な接戦。
- ありの木
- ところで、このゲーム、AI開発を君に丸投げしてしまったんだけど、どうだった?
- Hideshoe
- まあ、未知のゲームなわけだから、まずは、どういう勝ちパターンがあるかとか、確率的な問題とか、自分で全部書き出してみた。
その上で、人間的なブレというか、まあ双六だから、人間臭さも醸し出さなきゃいけなかった。 - ありの木
- なるほど。人間らしい判断っていうのが難しいね。このゲーム、運の比重も結構あるから、意外と博打的に突っ込んでいくと勝てたりする。その一歩を踏み切れるかどうかって、性格が出たりするんだよね。
- Hideshoe
- そう、バトルを仕掛けた結果、その勝ち負けで大分情勢が変わってくるから難しい。
- ありの木
- 地味に助かったのは、サイコロの目から、移動可能なマス目を算出する仕組み。AI開発の副産物をインターフェイスでも使わせてもらった。
- Hideshoe
- ああ、これ、かっこいいよね。ボードゲームっぽい。笑
- オール人工知能の対戦結果。
- ありの木
- さて、一通り見て改めて思うのは…、このゲーム、どうにかならないかな…。苦笑
- Hideshoe
- この作品で学んだのは、ボードゲームの「リアルな楽しさ」は、デジタル上では再現できないってことだよね。
- ありの木
- 我々が勘違いしてたのは、ボードゲームの面白さって、ゲームの盤上だけじゃないということ。そこには、友達との会話があり、心理戦がある。
- Hideshoe
- 淡々と、一定の結果を返してくるAI相手じゃ、興奮も冷めちゃうよね。
このゲームの問題は、運によって大分結果が変わってしまうこと。どんなに戦略を練っても、バトルで負ければ元も子もない。 - ありの木
- 確かに。バトルを仕掛けても仕掛けられても、勝つ確率は同じだから、仕掛けた方にしてみれば、リスクが高い。そこはちょっと改善の余地があるかもしれない。
- Hideshoe
- 仕掛けた側が若干強くなるとか。経験値的な仕組みを取り入れるとか。きちんと検証しなきゃダメだけど。
- ありの木
- 面白そうだね。サイコロ一つで誰でも遊べるっていうシンプルさを売りにしてるから、あんまり複雑なルールになると趣旨が変わってくるけど。
でも、将来的に修正の可能性も考えたい。
本ソフトウェアには、説明書が付属しておりません。あらかじめご了承ください。
本ソフトウェアの無断転載・再配布は禁止とさせていただきます。ご不明な点がありましたら、事前にお問い合わせください。
操作方法は、下記の通りです。
- コマや項目の選択
- カーソルキー
- 項目の決定、内容変更
- Enterキー
- コマの選択や移動のキャンセル
- スペースキー
- チュートリアル・リプレイの中止
- Escキー